地盤改良後に発生する地盤沈下事故が増えてきています。改良工事種類の中では、圧倒的に事故を起こしているのは柱状改良工事です。都内の行政庁の中には、柱状改良工事に対して計算式を含めた根拠の提示を求めるところがあります。その反面、柱状改良工事業者は増えているようです。私は、柱状改良工事も他の改良工事の工法に比べて特に危険な工事だとは考えていません。ではなぜ、このような現状になるのでしょうか?事故の原因として考えられる問題として、1つは設計の問題、もう1つは施工管理の問題があると思います。今回は設計の問題を考えたいと思います。
柱状改良工事は分類としては、摩擦杭にはいります。径60cmの周囲の表面での摩擦力を計算できるわけです。建築雑誌などでも、柱状改良工事の先端支持力を30KN/m2以上あれば良いと記載されているものも目につきます。ここが1つの盲点となります。途中の層の状態をまったく考慮にいれておりません。特に、厚密沈下の可能性がある場合、地盤が沈下する力が改良体に摩擦力としてマイナスの方向に作用します。ネガティブフリクション)改良体を下へ下へと引っ張るわけです。この力に対抗するのが、先端の支持力となります。(状況によっては、設計段階で、周辺摩擦力をゼロとみないとまずい場合もでてきます。先日、関東学院の先生による地盤と基礎の講習会に参加しました。そこで発表された柱状改良工事実施後の事故例では、沈下した部分の基礎の下側と柱状改良体との間に隙間がしっかりと開いていたそうです。つまり、基礎の重さで改良体が沈んだのではなく、地盤とともに沈んでしまったことがわかります。改良体にしっかりと強度がでていてもこれでは役にたたないわけです。