[工務店とリフォーム] 第1回(2006年4月掲載)

プロは『暮らしづくり』を瞬時に理解する

仕事はプロに頼もう

 リフォームの人気が高いようです。何げなく使っているリフォームという言葉ですが、いざ「わが家もそろそろ・・・」と考えはじめるとちょっとした戸惑いを覚える人も多いのではないでしょうか。それはまず言葉が氾濫しているからです。

 営繕、増改築、模様替え、リニューアル、リモデリングという言葉がこれといった脈略もなくリフォームと同意語として使われているからです。また、それぞれ微妙に意味あいが異なり情況に合わせて使い分けられています。どの言葉が適切なのかリフォームに関わっているプロだって戸惑うくらいですから、一般の消費者は“混乱”して当然です。

 たとえば、ディンクス(子供のいない共働きの夫婦)のキャリアウーマンがとある地元の工務店に出向き「リビングルームをリモデリングしてサンルームに変え、ハーブを育てて楽しみたいと思っているんです。何か素敵なプレゼンテーションしてもらえますか」といったとします。対応に出た団塊世代の工務店社長はうまく会話が合うだろうか。

 また、堅物そうな老人が青山あたりのファショナブルなショールームに出かけ「玄関と風呂場、便所の段差を解消して、移動を楽にする改築を考えています。ついでに、縁側の戸がガタガタしているので、そちらの営繕もお願いできればありがたい」といったとき、笑顔で迎えたコンパニオン嬢はどのように話を進めていくのだろうか。

 こう想像をするだけで、端から見ていると笑えるような光景が展開されている気がします。両者とも相談先を間違えてしまったのでしょうか。決してそうではありません。ここで、対応する側が匙を投げるようであればプロでないということです。プロであればお客さんが、この先どのような“暮らしづくり”を求めて足を運んでくれたかを瞬時に理解するからです。確かに言葉のニュアンスの違いで会話がちぐはぐになっても、その壁を乗り越える知識と技術力を持っていることがプロの条件です。仕事はプロに頼みましょう。

松下 寛光プロフィール

[まつした・ひろみつ] 住宅アナリスト 1948年札幌生まれ。住宅産業新聞編集長を経て1993年独立、住宅から森林、環境問題まで幅広いジャンルで評論活動を展開している。プロデュース会社(有)インパルス代表取締役。
インパルス・ハウジング・ネット http://www.impulse.co.jp

 

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