[工務店とリフォーム] 第2回(2006年5月掲載)

住まいを長持ちさせるにはメンテナンスが重要である

日本人はメンテナンスが下手

住まいを長持ちさせようという気運が高まっています。これは、サスティナブルハウジング(持続可能な住宅)の考え方が提唱され賛同者が増えてきたからです。地球環境を良好に持続しつつ発展させていくには、これまでの大量生産・大量消費・大量廃棄の社会システムを改める必要があります。住宅の分野では、いちど建てたら本人はもとより、その子供、孫の代まで住める住宅を目指そうというわけです。住宅を長持ちさせようということに異存を持つ人はいないでしょう。むしろ、いままでが短すぎたと思っている人の方が多いのではないでしょうか。ところで、住宅の長寿命化を実現するには、当初から長持ちする材料を使って施工することはもとより、建築後のメンテナンスが重要になります。日本人はメンテナンスが下手だといわれています。ある工務店の社長が嘆いていました「最近の主婦はメンテナンスのことをぜんぜん理解していなくて困る。受話器をあげて施工した工務店に文句をいうことがメンテナンスだと思っている」といいます。また、「日本人は車はピカピカに磨くが、住まいの手入れはまったくしない」ともいわれます。確かに、休みのたびにマイカーにワックスをかけ、ちょっとしたすり傷にも神経をとがらせる人は多い。その反面、マイホームの方は無頓着で、自分でできる簡単な手入れもしない(できない)人も、これまた多いような気がします。

愛着の持てる住まいづくり

■どうしてこうなってしまったのか。まず考えられるのは、“車いじり”は楽しいが“家いじり”は楽しくないということなのでしょう。つまり、愛着がわかない、取りあえず感覚で住んでいるといえます。「土地には資産価値があるが、上物は消耗品」という、かつての“土地神話”の影の部分が影響しています。現にいまでも、中古住宅市場で築20年も経過した上物の評価はゼロに近く、それ以上経過しているものは解体費用を売り主が持たなければ売れない、といわれています。“土地神話”がとうの前に崩壊しているのですから、上物に対する評価を改める時代に入っています。消耗品ではない住宅、愛着の持てる住宅を普及させていかなければなりません。そうなればメンテナンスに対する認識も変わってくるでしょう。工務店、リフォーム店は最前線で一般消費者と接しているのですから、ぜひそのへんのアピールに力を入れてもらいたいと思います。

松下 寛光プロフィール

[まつした・ひろみつ] 住宅アナリスト 1948年札幌生まれ。住宅産業新聞編集長を経て1993年独立、住宅から森林、環境問題まで幅広いジャンルで評論活動を展開している。プロデュース会社(有)インパルス代表取締役。
インパルス・ハウジング・ネット http://www.impulse.co.jp

 

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