[工務店とリフォーム] 第4回(2006年7月掲載)

メンテナンスフリーって何だ!

この世にメンテナンスも手入れもしないで、いつまでも使えるものなどありません

メンテナンスフリーを謳い文句にした製品がいろいろ出回っており、忙しい現代人にうけているようです。メンテナンスフリーについて、多くの人は「面倒な手入れなしで、いつまでも使える」と解釈しているようですが、その意味をもう少し深く考えてみるべきです。
どんなものでも使っているうちに劣化したり、不都合が出てきたりするものです。そこで手入れをして元の状態に近づけてあげる。そうすることにより末永く快適に使えるわけです。
人間の身体だってそうです。年月が経つとどこかしらガタが来るし、もろくなります。長生きしたければ日頃のメンテナンスが必要です。実は、メンテナンスなしで末永く使えるものなどないのです。
メンテナンスフリーを謳う製品はメンテナンスができない構造のものが多く、壊れたらそこでおしまい、新しいものを買いなさい、ということなのです。メンテナンスをすればまだ使えるにもかかわらずです。壊れたら捨てるのであればメンテナンスも手入れも必要ありません。
残念なことに住宅を構成する部品や部材にもメンテナンスフリーを謳う製品がけっこう使われています。大量生産・大量供給・大量破棄の時代を改め、サスティナブルハウジングを推進していこうという時代です。これからはメンテナンスをしない(できない)製品ではなく、メンテナンスしやすい製品を選ばなくてはなりません。
工務店のなかにはユーザーに気をつかったつもりで「これはメンテナンスフリーですからいいですよ」などと安易に薦めているケースがみられます。が、製品の長所と短所をしっかり説明してあげるのがプロというものです。
この世に、メンテナンスフリーで長生きしている人間がいないように、メンテナンスも手入れもしないでいつまでも使える製品などないことを教えてあげましょう。

松下 寛光プロフィール

[まつした・ひろみつ] 住宅アナリスト 1948年札幌生まれ。住宅産業新聞編集長を経て1993年独立、住宅から森林、環境問題まで幅広いジャンルで評論活動を展開している。プロデュース会社(有)インパルス代表取締役。
インパルス・ハウジング・ネット http://www.impulse.co.jp

 

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