[工務店とリフォーム] 第10回(2007年01月掲載)

ペットの習性を知って信頼関係を深めよう

一歩外に出ればギスギスした世の中、ペットに慰められている人が増えているようです。ペットといえばイヌ、ネコが多いわけですが、ペットを通じて初対面の人とでも会話が弾んだり、交流が深まったりすることがあります。

ある工務店で現場監督として働いている青年から聞いた話です。仮にAさんとしておきましょう。Aさんは大の動物好きで、もちろん自分でもイヌを飼っています。ですから、近所で散歩しているイヌを見かけると、つい声をかけてしまいます。成り行きで飼い主とも話すことになるわけですが、こうした会話が縁でリフォームの仕事を頼まれることが多いそうです。
日頃は可愛くてしょうがないワンちゃん、ネコちゃんですが、同じ屋根の下で暮らしていると、壁や床を引っ掻いたり、臭いが気になったりなど、いろいろトラブルに悩まされることもでてきます。
「まず、動物の習性を知って信頼関係を深めることが大切です」とAさんは、アドバイスするそうです。イヌの場合は本能的にかじったり、穴を掘ったりする欲求を持っています。ネコはライオンやトラと同じ仲間ですから、いつでも獲物を捕らえられるように爪研ぎに余念がありません。
そんな習性があるために壁や床が傷つけられるのですが、本能に根ざした習性だけに躾だけでは治まりません。傷ついてもよいダミーを設置するのもいいでしょう。また、合板のフローリングだと薄板が剥がれてくると、ますます好奇心が刺激されエスカレートします。床は無垢のフローリングがベターです。無垢だと引っ掻いても紙ヤスリでメンテナンスしておけばささくれも消えます。

イヌの行動は平面的ですが、ネコは上下運動を好むので、棚や階段など高いところにうずくまります。臭いにも敏感でトイレがいつまでも不潔だと、別の場所にしてしまうので清潔にしてあげなければなりません。
また、イヌの視界はモノクロの世界だといわれており、段差のある場所は濃淡の区別を明確にしてあげると歩きやすくなります。

Aさんは、こうした動物の習性をちょっとした立ち話のなかですることが多いそうです。なぜ、Aさんがリフォームを頼まれるのか。もうおわかりと思いますが、知らず知らずのうちに会話がペットと楽しく暮らすハウツーになっていたのです。
Aさんとペット談義をしたことのある飼い主が、リフォームやメンテナンスを思いたったとき、ごく自然に「あの、Aさんに相談してみよう」「動物好きの人に悪い人はいないっていうし…」と展開していったのかもしれません。

松下 寛光プロフィール

[まつした・ひろみつ] 住宅アナリスト 1948年札幌生まれ。住宅産業新聞編集長を経て1993年独立、住宅から森林、環境問題まで幅広いジャンルで評論活動を展開している。プロデュース会社(有)インパルス代表取締役。
インパルス・ハウジング・ネット http://www.impulse.co.jp

 

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