[工務店とリフォーム] 第12回(2007年03月掲載)

築98年の住宅をリフォームで新しいトレンドを注入し、蘇らせる

日本でも住宅関係者にはおなじみの、NAHB(全米ホームビルダーズ協会 National Association of Home Builders)が主催する 2007 INTERNATIONAL BUILDERS' SHOW(通称:NAHBショー)がフロリダ州オーランドで2月7日から10日まで開催されました。私は3年ぶりに当地を訪れ取材してきました。

オーランドといえばディズニーランドの本家があることで知られているので、行ったことのある人もいるのではないでしょうか。さて、NAHBショーのメイン展示物のひとつとして、大規模リフォームの実例が紹介されていました。

オーランド市内の歴史ある住宅街に建つ一戸建て住宅がリフォームされ、見違えるような住宅に大変身させました。その変身ぶりをショーに参加した人たちが見学に訪れ、都市型住宅のリフォームのトレンドを学ぼうというわけです。私も一生懸命に学んできました。

まず、Before、Afterの写真をみてください。玄関ポーチが加えられイメージが一新されています。なんと、この住宅は1909年に建てられたというのですから、和暦にすると明治42年、築98年の建物だったというから驚きです。この建物をあるビルダーが2年前に購入、全面的にリフォームしました。このNAHBショー終了後に分譲されるそうです。

アメリカではメンテナンスの行き届いた住宅の価値は下がりません。それどころか、古い街並みほどインフラが整備されたり、樹木が大きく育つなど周辺環境がよくなるので、購入時より高くなるのです。ですから、アメリカ人は資産形成のひとつとして住宅を大切に使う習慣があります。

情けないことに日本では、築10数年もすれば建物の評価はゼロ近づいてしまいます。そのせいで日本人は家のメンテナンスに関心がないというか、必要最低限のことしかしないのかもしれません。

築98年にもなる住宅をさらにリフォームして、大切に使う心意気。新しい住まい方のトレンドを取り入れて付加価値を付けることで、新築の分譲住宅よりも高く評価されるのです。アメリカが羨ましいですね。こうした点は日本でも見習うべきところが大いにあるように思います。

Before:築98年の古い住宅だった
After:リフォームされた
住宅と訪れた見学者たち
落ち着いた雰囲気の
シアタールーム

明るい書斎
格式のあるダイニングルーム

松下 寛光プロフィール

[まつした・ひろみつ] 住宅アナリスト 1948年札幌生まれ。住宅産業新聞編集長を経て1993年独立、住宅から森林、環境問題まで幅広いジャンルで評論活動を展開している。プロデュース会社(有)インパルス代表取締役。
インパルス・ハウジング・ネット http://www.impulse.co.jp

 

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