[プライバシーとリフォーム] 第3回(2007年9月掲載)

狭小地だからルーバーデザイン

●味のあるルーバーデザインの家

窓にはカーテンもスクリーンもない。それでもプライバシーが守られる。というのも、2階に設置したリビングの窓の外側には長いテラスがあり、そこには無垢の材を横張りにして目隠ししているからだ。材と材の間は少し隙間がある。だから夏は窓を開ければスーと風も入ってくる。

そんな家を設計したのは建築家M氏。隣家とは4m道路を挟んでいるので接近はしていないが、目線は気になる。だから目隠しをしたというわけだ。

目隠しをしたからといって閉鎖的な空間ではない。自然素材が癒す効果を生み、さらにテラスと組み合わさることで広い空間を作り出している。

外観もデザインをこわしてはいない。横張りの自然素材は外壁がわりととなって、味わいを見せている。夕暮れともなれば隙間に部屋の光がこぼれる。道行く人にも心地よさが残る。

●昔は「がらり」と呼んでいた

こうした羽板(はいた)を採用して目隠し・通風・採光の効果を出すやりかたは昔からあって、「がらり」と呼ばれています。雨戸のかわりに「がらり戸」を使うこともあります。現在では「がらり」というより、「ルーバー」と表現しています。

デザインによってアルミルーバー、木製ルーバーと素材もいろいろ。竹でルーバーにする人もいます。そこは設計の腕しだいというわけです。

プライバシー・リフォームを考えるとき、目隠しするのはいいが、では通風は、採光はといった問題をこうしたルーバーデザインは解決する手法となります。

●外壁を張り替えようと思ったら…

木製ルーバーで家全体を囲んだり、被ってしまうやりかたもあります。室内からは光と風がこぼれてくるいい感じ。外から外観を眺めると、ちょっと赴きが出ておしゃれっぽい感じ。外壁が汚れてきたので張りかえるかなと思ったとき、ルーバーで被ってしまうというのもいいかもしれない。あれこれ実例をたっぷりと研究し、どんなデザインにすればいいのか考えるといい。

●エクステリアにも効果的

いま一人の建築家のM氏はエクステリアと一体化して木製ルーバーで家を囲むやり方をしていました。フェンスのかわりに目隠ししたいところはルーバーを高くし、そうでないところは低くしたりしながら全体のデザインを考えてスマートに変化をもたせていました。

こうしたルーバーデザインは狭小地が密集しているところでは効力を発揮します。

住み心地、デザイン、予算など考慮しながらルーバーデザインをちょっと考えてみるのもおもしろいですよ。

岡田 憲治プロフィール

[おかだ・けんじ] 住宅ジャーナリスト・NPO法人埼玉住まいの情報ネットワーク代表。
辛口『野次馬住宅時評』を発行。著書に『住宅のお値段・原価の秘密』『住宅業者の良し悪しがピタリわかる本』『住まいたちの半世紀』など。近著『昭和の住まい学』。
野次馬住宅net http://www.tcat.ne.jp/~yajiuma

 

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