[プライバシーとリフォーム] 第8回(2008年03月掲載)

子どもとプライバシー その2
人気のリビングを通らないと個室に行けない間取り

●子どもと家の議論は多いものの・・・

子どものことを考えるというか論ずることが、みなさん好きなようでいろんな意見を述べています。子ども部屋かくあるべしと。

「欧米では子ども部屋も寝室の一つにすぎないのだから、基本的に寝るとき以外には使わない。」(『「家をつくる」ということ』藤原智美著)

「子供と自然とのふれあいが希薄になっていくようで心配です。・・・そこで、子供室の一部に生きものを飼うペットコーナーをつくるプランはどうでしょう。」(『こだわりの家づくりヒント集』金掘一郎著)

「五感が満足できる空間が、子供を育てる」(『頭のよい子が育つ家』四十万靖・渡辺朗子著)

このほかにもいろいろな発言があり議論百出。しかし、子育てが難しいように、子どもと家の関係も答えがなかなか出ないようです。

●ワンフロアの間取りは家族交流の場!

子どもの部屋はいらないという意見もありますが、でも、子ども部屋はなくなりません。なんやかやで新築のときには子どもの部屋をつくる人が一般的です。そうした中でどうも定着しつつある考え方があります。それは、リビングを通らないと個室に行けない間取りです。

「うちは玄関を開ければ、そこがリビング・とダイニングとキッチン。狭い家なんでどうしたってそこを通過しないと2階にいけない」

と、そんな間取りは当たり前じゃないかと言われたことがありますが、そうした家こそ理想的な間取りだったのです。狭いながらも楽しい我が家といいますが、狭い家で、プライバシーなんてないという時代には、子どもが部屋に閉じこもるといった問題はなかったのです。生活が豊かになり、家が広くなって子どものこと、プライバシーが問われだしたのです。

住宅産業研修財団理事長の松田妙子さんは『家をつくって子を失う』という本の中でこういいます。

「住まいにプライバシーが使われだしたのは、住宅事情がまだわるいなか、せめて夫婦の寝室だけでも確保したいという願いからではなかったか。それがいつのまにか、子供も同一視して一人ずつにプライバシーをまもる個室を与えるようになった。」

玄関からリビングへ、そこで声を交わす。「たたいま」「おかえり」という声、そして顔を合わせる。ここが大事なんですね。

リビングを通過するという間取りは、1階はワンフロアでもいいという考え方です。廊下があると顔を合わせることが遮断されます。ワンフロアというのはプライバシー排除の考えで、家族の交流の場なのです。空間も広くなってのびのびできるのがいいところ。

こうした間取り、広がってきているように思えます。でも、よしうちもワンフロアでリビング通過だとリフォームするのはいいのですが、大事な柱を切らないように。家が壊れます。

岡田 憲治プロフィール

[おかだ・けんじ] 住宅ジャーナリスト・NPO法人埼玉住まいの情報ネットワーク代表。
辛口『野次馬住宅時評』を発行。著書に『住宅のお値段・原価の秘密』『住宅業者の良し悪しがピタリわかる本』『住まいたちの半世紀』など。近著『昭和の住まい学』。
野次馬住宅net http://www.tcat.ne.jp/~yajiuma

 

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