以上3つの要望に共通するのが、日常の暮らしの中で家族の絆を深めたい、というわけです。
昨今の家庭内暴力や学校でのいじめ問題など、家庭教育、親子の対話の無さが問題視されています。子供とのふれあいを重視したいという親の意向も反映し、家族と向き合いながら台所仕事をしたいという要望はかなり多くなっています。当然、老後の介護の問題も健康なうちから考え、住まいの改修に関心が寄せられるのです。
閉鎖的で暗いキッチン空間を、間取りの変更や壁の撤去により、リビングと一体感のあるキッチンにするという希望が圧倒しています。
例えば、カフェスタイルの対面型にして「おしゃれなカフェでブランチを食べる」イメージのキッチンへとリフォームを希望される方が、目立って増えていることに現れているように思われます。
というのも、リフォーム適齢期に入る今から15〜20年前のキッチンは、壁式が多く、主婦が家事の時にはリビングやダイニングにいる家族に背中を向け、会話どころではなかったからです。
ところで憧れの壁式から対面式キッチンへの変更には、予算やリビング部分の広さ家の構造との関係が障害となる場合があります。また、多くの場合、壁式から対面式のキッチンに変更する場合は、キッチンとリビングをつなぎ合わせたような広いスペースが必要ですので、たいていの場合既存壁を撤去することになります。
昨年12月、日本経済新聞社主催で開かれた「日経リフォーム博」で、筆者も相談コーナーを受持ちましたが、主催者の呼びかけもあり、自宅の建築図面を持って、相談に見えた生活者がほとんどでした。
計画する場合は、プランニングの段階からじっくりとリフォーム業者と打合せして、安易な壁撤去は避けるようにしたいものです。
もしどうしても耐力壁を撤去したい場合は、十分に建物の構造を考えた上で、補強も同時に行う見積書を提示してもらい、リフォームに対する要望と、それを実現するためのリフォーム予算をしっかり照らし合わせて検討しましょう。
対面式(カフェスタイル)キッチンリフォーム工事の概算費用は、一般に間口2550ミリの場合 キッチン本体80〜200万円+工事費40〜100万円以上、大まかには120万円から300万円程度の予算が必要とされています。その場合、解体撤去・処分費、壁の一部撤去、床及び壁の標準的な補修工事、給排水切替工事、電気工事、ガス配管工事、換気ダクト工事が含まれます。