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リフォームかわら版

サービス業の事業者客観評価の研究

もっぱら利用者のための
「良質リフォーム情報」を求めて

―事業者の番付・評価、客観情報作りへ―
リフォーム&インテリア編集長
            
末吉正浩

前回は、ホテル・レストランの5ツ星や3ツ星の評価で名高い、「ミシュランガイド」を紹介しましたが、おりよく先月半ばに今年の11月から “ミシュランガイド「東京版」”を発行する、とフランスから来たミシュラン本社の代表が大々的に発表した、というNEWSが飛び込んできました。

すでに東京近郊のホテル・レストランには、覆面の調査員が目を光らせているようで、自他共に一流と自認している高級店はどういう評価が出るか、穏やかではないでしょう。

ホテル、レストランで確実に利用者にとって客観評価の波が押し寄せ、その価値に見合ったサービスが受けられるようになるでしょう。

筆者の思いもあり、今回は前回に引き続き、カタイ話になりました。

◇民間団体による利用者向けの自主評価

ところで、Web上での扱いが多いのですが、ホテル、レストランと同じサービス業での客観評価、ランキングなどを利用者のための情報として提供する試みが広まっています。

国内のサービス業で、調査の専門家という第三者機関が客観的な評価をつけ、ユーザーに団体や自治体などが、情報提供しています。

ところで、リフォームは建設業的な側面を持ちながら、経済産業省の業種分類では「サービス業」に分類されています。サービス業の評価を調べることで、リフォーム業にも「良質なリフォーム情報」の評価の手法が広まることをきたいして、今回は日本のサービス業で評価ランキングを調べてみました。

事例1学習塾の評価〜(社)全国学習塾協会が会員を対象に定めたもの
学習塾サービス評価制度 http://www.jja.or.jp/serhyoka/04shyoka.html

 サービス評価とは、学習塾に関する情報が開示され、情報が分かりやすく説明され、適正な広告宣伝・勧誘方法が行われ、契約関係が適切に締結され、情報保護も心配のない学習塾としての評価です。

 サービス評価は6ランク評価となっております。このうち、上から3ランク「AAA」「AA」「A」について、自塾の宣伝・広告用パンフレット・チラシ、ホームページ、入塾案内書等に表記・使用することができます。なお、学習塾のサービス評価は、個々の学習塾の教育内容・指導方針とは一切関係なく、消費者である生徒・保護者に対するサービス産業としての評価です。

事例2法人タクシー 法人タクシー事業者のサービス等に関する
ランク評価制度概要http://www.tokyo-tc.or.jp/user/yuuryouji/yuuryouji.html

(財)東京タクシーセンターでは、東京指定地域(特別区・武蔵野市・三鷹市)で利用客の利便向上と、より良質なタクシーサービスをお届けするため、平成13年5月にランク評価委員会を設置して法人タクシー事業者のサービス等に関する評価を制度化し、「接客サービスに関する情報」・「安全に関する情報」・「事業者の法令順守に関する情報」を収集し、評価基準を設定してランク付け数値化したもので評価しています。

客観性および透明性を確保するために、数値化による評価方式を採用。100点満点からの減点法で評価点数を算出し、AA、A、B、Cの4段階に分類し、このうちAAおよびAの評価を受けた事業者は優良法人タクシーとして認められ、優良ランク事業者リストに公表されるほか、利用者が識別できるように車両にステッカーを貼って表示。

指定地域内に事業所のある法人タクシー事業者306社(平成18年3月31日現在)のうち284社(22社は評価対象外)を対象に、平成17年4月1日から平成18年3月31日までの期間における評価で公表しています。なお、AAランク事業者は78社、Aランク事業者は111社です。

事例3個人タクシー〜
事業者認定(マスターズ)制度http://www.kojin-taxi.or.jp/master/mastertte.html

(社)全国個人タクシー協会では、平成10年12月から、優良個人タクシー事業者認定制度、いわゆるマスターズ制度を実施しています。 個人タクシー事業者がマスター(みつ星)になるためには、ひとつ星、ふたつ星の認定から順に受けてき、その上でマスターの申請をし、個人タクシー業界以外の有識者で構成される「マスター認定委員会」の厳しい審査をうけて、ようやくマスターとして認定されるのです。

マスター称号(みつ星)は、個人タクシーの最高ブランドとして、「やさしさと安心を乗せて走ります。」を合言葉にお客様に高品位のサービスを提供します。

◇公的な福祉サービス事業の評価制度

厚生労働省は、社会福祉基礎構造改革の一環として、平成16年に「福祉サービス第三者評価事業に関する指針」を出し、福祉サービスの質の向上と利用者の選択に資するため、福祉分野において都道府県で第三者評価事業を導入しました。

ここでは、かながわリフォームコックさんの地元である神奈川県の「福祉サービス第三者評価」の実施状況について紹介します。

事例4〜かながわ福祉サービス第三者評価推進機構http://www.rakuraku.or.jp/hyouka/神奈川県では、『第三者評価」による評価情報が提供されています。

この「第三者評価の定義」とは、福祉サービス事業者でも利用者でもない(当該福祉サービスの当事者関係にない)第三者性を有する機関(=評価機関)が、 事業者・利用者・必要があればその家族に対する訪問・ヒアリング・アンケートなどによる調査に基づき、 事業者の提供するサービスの質を客観的な立場から総合的に評価すること―です。

第三者評価は、「利用者(子供を含む)が自分に合った質の高い福祉サービスを選択、利用することにより個人の意思が尊重され、 生き生きと自分らしい自立した生活を送ることができるようになること」を目指すもので、二つの目的があるとされています。

一つは、事業者のサービス改善等の取り組みを促進し、サービスの質の向上をはかる。
二つ目は、第三者評価結果の公表でサービスの報を提供し、利用者が自分に合った質の高いサービスを選択できるよう支援する―ことのようです。

評価の方法は、評価機関に任されますが、1.事業者調査、2.資料調査(概況調査)、3.自己評価調査、4.訪問調査、5.利用者調査―となっています。

第三者評価がどのようにして行われるか、そのフローは以下の通り。

具体的には、評価機関は、事前に行った調査票による調査結果を集計・分析し、サービス事業者へ訪問調査を行い、評価機関では、複数の調査者の合議により総合的に判断された調査結果をまとめ、サービス事業者に送付し公表の了解を得ます。そして了解を得た調査結果は、推進機構のホームページ等で公表されます。

◇民間企業オリコンによる利用者情報提供

事例5オリコンCSランキングhttp://english.oricon.co.jp/information/method.htmlヒットチャートをはじめとする音楽情報サービスなどを提供するオリコンでも、「オリコンCSランキング」を公表しています。これは、実際の利用経験者(現在利用中、もしくは3年以内の利用経験者)の声を集めた“顧客によるサービス利用満足度”に基づいたランキングです。

オリコンでは、ランキングはあくまでも「いいサービス」を選ぶための情報源の一つであり、実際に利用した人がどう評価しているのかを知るための参考としてお使いください。―と断っている。

CSランキング調査対象の業種(調査期間は06年5月〜12月)は次の通り。エステ、ダイエット食品、結婚情報、結婚プロデュース、人材派遣、人材紹介、英会話、自動車保険、ネット証券、引越し、クレジットカード、塾・予備校―となっています。

◇リフォームのより良い質を求めて

まとめ

事例1から事例3までの学習塾から法人・個人タクシーは、その業界の主要な団体が利用者に有用な情報をランキング化し、高品位のサービスを提供しようとしているのです。

情報が分かりやすく説明され、適正な広告宣伝・勧誘方法が行われ、客観性および透明性を確保するために腐心しています。

事例4の「かながわ第三者評価」は、国の指導を受けて都道府県が独自に推進機構を設立して、サービス評価を実施している事業の一環です。しかし弱点は、事業者の意向によって依頼を断れるし、同意がなければ公表されないわけであり、必ずしも福祉施設の全体をカバーできないため、利用者が求める情報が不十分という制度上の難点があります。

事例5の「オリコンランキング」は、本業で得意とする調査能力を生かし、各サービスの利用者を対象としたアンケートに基づいてランキングしています。Webサイトに掲載されたランキングは、「必ずしも実際のサービスを保証するものではなく、利用者の主観的な評価に基づいたものです」と断っています。利用者の評判のランキングにとどまっており、技術力や企業の継続性の判断についての専門的な判断は望むべくもない。

いずれの業種も、「サービス」という目に見えないものを提供するため、また高度の技術を判断するには素人のユーザーでは不可能であり、事業者の健全な育成という側面もあり、利用者からは不満も残るでしょう。

しかし、いろんな欠陥を持ちながら「評価」情報が浸透しているのは、利用者の切実な願いがあり、支持されているからです。少なくとも、有力団体によるランク付けは可能であることも実証されています。

いつまでも「どのリフォーム業者を選んでいいか?」という利用者の悩みを、早急に解決して欲しいものです。それにリフォームの匠を自認する事業者も同じ思いでしょう。

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住宅ジャーナリスト 岡田憲治 末吉正浩
プロフィール
沖縄県生まれ。日本大学法学部新聞学科卒業。重化学工業・食品・住宅など各産業専門誌に記者として勤務した後、85年(株)コスモジャーナル社を設立し、隔週刊『リフォーム&インテリア』を創刊。同年より同誌編集長となり、現在に至る。
主な著書に『リフォームで儲ける建設・不動産会社』『笑いの止まらないリフォーム会社の作り方』『住宅リフォーム・原価のからくり』『住宅リフォーム・良い業者・ダメな業者』(エール出版社)『インテリアリフォーム百科』(共著・インテリア産業協会)『住宅リフォーム実務マニュアル』(共著・産業調査会)など多数。
 住☆リフォーム・ねっと http://www.cosmoj.co.jp/

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