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リフォームかわら版

安心・満足度の高いリフォーム相談を考える
―足を運べば「これからの暮らし」が見えてくる―
リフォーム&インテリア編集長
          
末吉正浩

◇リフォームフェアの相談コーナーは人波が

10月、日本経済新聞が主催する「住まいのリフォーム博」という東京・有明のビックサイトで開かれたイベントで、主催者が用意した「リフォーム相談コーナー」の相談員として一般生活者との4日間を過ごしました。今回は、回答者の立場から、相談の裏側の一端をご紹介しましょう。

主催者の設置したコーナーなので当然ですが、80代と思しき高齢者から20代の乳児連れのご夫婦までと、さまざまな年代層と、相談に見えた方の要望はさまざまでした。相談者の年齢別でいうと、私の担当した小間だけでなく、全般的に中高齢のお一人の割合が最も多く、後は中高年のご夫婦が続いていました。準備して訪れる相談者には、つい時間をかけて丁寧な答えになる傾向があります。

世の中はインターネットの時代で、リフォームに関する情報やリフォーム相談はどこでも簡単に入手できそうです。しかし、消費者の側の利益になる情報は得がたい、と感じています。そのため、専門家が揃って企業から中立の立場で相談を受け付け、信頼度の高いと思えるリフォームフェアとなれば、時間をかけてでも参加するのです。また、大半の小間がモノを見せるより、マンツーマンでの対応に力が注がれていました。この種のフェアには珍しく、派手なパフォーマンスが少なく、セミナーも人気のタレントを配する人寄せパンダ的なスターの存在は皆無でした。

◇台風もものともせずに多くの相談者

主催者の「今すぐリフォーム派」は、「図面や写真を持ってくるように」という呼びかけで、具体的に応え熱心な来場者も多かったように見受けられました。 “今すぐ”という切実な消費者には、「図面や写真を持ってくるように」と主催者が呼びかけ。それが功を奏してか、多くの相談者が真剣かつかなり具体的に目的を定めていました。供給側の都合ではなく、他に、来場者に方向性を持たせる「これからリフォーム派」、「いつかはリフォーム派」と、区分けしており消費者側の都合も配慮もありました。

「売らんかな」が先行しがちなフェア内容が多い中にあって、良心的なリフォーム相談が受けられる場は意外に少ないので、来場した消費者も真剣そのものです。例えば、このフェアの3日目の土曜日。主催者が最も期待をかけていた週末の日でしたが、台風が急接近して朝から雨風が強く、午前中はほとんど人の姿は見られない。ところが、午後からそれでも子連れの若夫婦や高齢者の姿が目立ち始め、2時から3時には、主催者の相談コーナーはもとより、リフォーム会社や団体の相談ブースもほぼ満杯の状況。だが、帰りの6時前後には傘もさせないほどに横殴りの雨風が強く、最寄り駅までたどり着く前にずぶぬれになるありさまでしたが、それを上回るリフォーム熱が来場者にあったのです。

天候に関わらず台風を押して来場するため、ホットな相談になったのです。私の関係する団体の出展小間の相談カウンターでは、台風の土曜日が平日の木金のいずれよりも相談件数が多く、またフェアが終わってみると全4日間でもっとも濃密な相談が多かったと、カウンター担当者の評価でした。

◇時間を有効に活用したい

一方で、多くの方は、せっかく遠くから時間と交通費をかけて来場したにもかかわらず、一般的な話しに終わった例も少なくないのです。

例えば、「リフォームと建て替えではどちらが安く上がるか」とある中年夫婦。自宅の状態や、これからのどのような暮らしを望んでいるか、という情報は抜きに、結論だけを聞きたがる。これでは実りある相談は受けられないし、貴重な時間が無駄に過ぎてしまう。

また、「クレーム相談」もあり、人生模様いろいろです。「5年前に某住宅メーカーで住宅を新築したが、断熱材は施工時に濡らし壁の中が結露、屋根からは雨漏りし、床もふかふかで、裁判所に訴えたが、業者と裁判官が馴れ合って裁判に負けてしまった。リフォームしたいがどうしたらいいか」という。役所も相談に乗ってくれず、弁護士も熱心でない、というのだが、リフォーム関係者としてはどうしようもない。いい弁護士を改めて探し、決着がついたら、リフォーム業者を探したら、と回答する以外思いつかない。思うにこの人は「話を聞いてくれ」と、話し相手を求めているようです。

それでも回答者は、知恵を絞り、時に一緒になって考えます。

◇足を運び、マンツーマンがリフォームのメリット

回答者を経験して思うに、リフォームユーザーとしては公的、あるいはそれに近いイベントの相談会では、その道のプロがビジネスを抜きに丁寧に答えます。公的なものではないが、今回のイベントでも充実した相談コーナー準備していました。流行のWeb上での相談とは違い、そこでは得られない何かが得られます。リフォームは数十万円から何百万円という買い物ですし、工事は現場というバーチャルとは異なる場が避けられません。ネットショッピングには不向きなサービスがリフォームではないでしょうか。また、価格以上に「これからの暮らし」のレベルアップにつながる切っ掛けを準備します。

デジタル時代だからこそ、足を運び、マンツーマンで人間関係が築けるこのような貴重な場を、リフォームユーザーは見逃さず活用すべきでしょう。

賑わう会場

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住宅ジャーナリスト 岡田憲治 末吉正浩
プロフィール
沖縄県生まれ。日本大学法学部新聞学科卒業。重化学工業・食品・住宅など各産業専門誌に記者として勤務した後、85年(株)コスモジャーナル社を設立し、隔週刊『リフォーム&インテリア』を創刊。同年より同誌編集長となり、現在に至る。
主な著書に『リフォームで儲ける建設・不動産会社』『笑いの止まらないリフォーム会社の作り方』『住宅リフォーム・原価のからくり』『住宅リフォーム・良い業者・ダメな業者』(エール出版社)『インテリアリフォーム百科』(共著・インテリア産業協会)『住宅リフォーム実務マニュアル』(共著・産業調査会)など多数。
 住☆リフォーム・ねっと http://www.cosmoj.co.jp/

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