本来、日本の住宅建築工事は、ハウスメーカーや一般工務店が一括元 請けで契約し、設計・施工・監理が同一の業者で行われています。そしてチェックといっても、建てる側の身内で行なっているのが普通です。そのため、ほとんどの現場では、施主側に立った専門会社による検査が実施されていないのです。 このような一括元請システムが、手抜き工事を生みやすくし、欠陥住宅になる最大の要因と言われています。
不動産業から住宅検査会社に転進したある社長は、「建物検査の必要性は、不動産・建設業界で仕事を経験してきた者にとって充分すぎるほど理解できる」と、根本のところには業界の悪い仕組みがあげられる、と次のように指摘しています。
『建設業者は競合会社との価格競争で建築費を安くおさえなければなりません。また、利益確保のためには、下請け業者に低価格で請け負わせるしかないのです。下請け業者が利益を確保しようと思えば、部材の仕様を落としたり、本来必要な手間や部材を省く事になり、欠陥住宅が誕生する結果となります。住宅の要である構造体や断熱材は内装材によって「お化粧」されていると、素人目にはきれいな最新の住宅に見えてしまう』というわけです。
特に建物の基礎部分や天井、外壁、壁の内部、配管部分、その他構造的な部分の判断は消費者の目には、理解が難しいものです。そういう意味で、施主や購入者である素人の消費者が、プロに対抗するには限界があるのです。