「初モノ」信仰ともいえるわが国の状況の一つに、住宅分野も入れていいでしょう。
昔から男の甲斐性(かいしょう)として「マイホームを持ってはじめて一人前」といわれます。これなどは、新築住宅を建てて一人前というようなことが、昔からいわば通り相場です。初めて買ったマイホームとしての中古住宅では、いくら素晴らしい住宅や環境であっても、新築祝いの華やかさには負けてしまいます。たとえ安普請の建売分譲でも初モノ(新築)であるとありがたく、旧来からあるものは「ありがたくない」という1点だけで、一人前の評価が下がるのです。これには築25年で一律に無価値になる日本の住宅、という税制や不動産評価の事情もあるようです。
ある不動産コンサルタントは、新築購入希望者の話を聞いていて「何で今住宅を買うのか、分らない」という人に出会う場面も少なくない、といっています。結局、不動産や住宅メーカーの宣伝に踊らされて、一生の生き方を左右する物件を衝動買いする人も少なからずいるようです。
ステイタスで新築住宅を購入するのではなく、広く住まい勝手やライフスタイルを考え、選択肢に中古住宅をも加えた住まい選びが出来る環境が整うよう、国や業界に期待したいものです。