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リフォームかわら版

新築に代わり中古住宅重視時代が来るか?(その2)
―中古住宅×リフォームで
 「世界でたった一つのわが家」を手に入れる―
「三井のリフォーム」の調査レポートから
リフォーム&インテリア編集長
          
末吉正浩

最近、大都市圏では中古のマンションを購入、リフォームして「世界でたった一つのわが家」を手に入れる人たちが多くなっているようです。三井ホームの関係会社である三井ホームリモデリングの「三井のリフォーム 住生活研究所」では、このほど「中古住宅」に関する調査レポート『理想の住まいを求めて〜中古住宅購入×リフォームの可能性』を発行しました。[この調査は今年3月14日〜17日に全国の持ち家所有者と持ち家購入意向者(30〜69歳)の男女480サンプル対象に、インターネットによるアンケート]

前号に紹介したリクルートの調査に引き続き、今回は同レポートを基に中古住宅についての話題です。特に同レポートで注目すべきは、調査と共に中古購入者の購入意図とメリットを強調している点にあります。今日本では、戸建て・マンションに限らずマイホームを求めている方の大半は、「車と家は新品」に限る、との固定観念にとらわれています。だが時代は、新築と共に日本全国にある約5000万戸の既存住宅の中から、良質で自分にマッチした中古住宅を選択できる方向へと向かっています。「中古住宅×リフォーム」によって、新築と同等あるいはそれ以上の価値あるコストパフォーマンスの高いマイホームとして甦らせようというわけです。
以下にレポートから「中古住宅+リフォーム」のメリットを中心に紹介します。

◇「住替え」に関するネットアンケート調査結果

アンケート調査ではまず、「持ち家」の希望形態では、「車と家は新しいのがいい」という自由記述に代表される「新築」希望が7割を占め低増す、一方「新築でも場所が悪いのは魅力が無い」という「中古」希望(1.9%)が「どちらでも良い」(26.5%)を加えても3割に満たないのです。それほどに、日本人の新築志向が極端なのです。《グラフを参照》

また、「中古住宅」が持つメリット・デメリットイメージの要因を、アンケート調査しています。中古住宅に対するデメリットイメージとして、「設備の古さ」「前住者」「目に見えない部分の傷み」などに対して不安を感じていました。そしてユーザーの「間取り]「収納」「動線」「部屋数」に対して、リフォームで解決できるということに気付いていないことがわかりました。

逆に、メリットイメージとしては「新築に比べた割安感」が高く「間取りや広さ、それに日当たりや眺望、管理などが購入前に確認」できること、さらに「契約後、比較的短期間に入居できる」というものでした。


 中古住宅×リフォームのケーススタディ
レポートでは、三井のリフォームが手がけた「中古×リフォームの事例」(いずれも東京都区内)の5件を紹介しています。

◇事例1=夫(30代)、妻(30代)+子供2人〜子育て期

これまでの住まいの経緯と中古購入のきっかけは、最初、賃貸デザインマンションの5階に居住、子どもが小さかったので下の階への音が気になっていた。その後職場近くに、土地15坪の3階建て木造新築建売を購入。3年ほど住み、次第に狭く感じて住み替えを考え始めた(現在、こちらは賃貸にしている)。25坪の土地を購入し、1億2000万円でハウスメーカー軽量鉄骨4階建ての新築計画を進めていたが、その頃に不動産仲介会社から中古物件の連絡が入った。立地と間取りが希望に合い、 25坪の土地を売ってその分を中古リフォームに投資。

1億2000万円の新築4階建ての場合、いいなと思うものを揃えていくとどんどんお金が膨れ上がり、全部希望をかなえることはできなかった。中古物件をリフォームし内装や空間にこだわるためにお金をかけようと発想を転換した。新築でグレードを落とすか、リフォームして思い通りにするかで、こだわる人には新築より中古リフォームがいいのでは?

物件購入の決め手は、住宅性能評価がとりつけられ、メンテナンス履歴がしっかりしていたこと。日当たりが良く、新築に比べて割安だった。

■延べ床面積141.99m2(リフォーム工期2ヶ月):物件1億1800万円+リフォーム費用1678万円=1億3478万円


◇事例2=夫(60代)、妻(60代)、愛犬1匹〜成熟期

これまでの住まいの経緯は、家を持つ事が3度目で、1度目は…新築建売、2度目は…注文住宅、3度目…中古を買ってリフォームと、家に対する価値観はそのつど変わり、子供が独立し夫婦2人となった今、4度目の可能性もある、と起伏に富んでいる。中古購入のきっかけは、今回、当初住み替えるつもりはなかったが、息子が住まいを探していた時にたまたま入った不動産仲介会社から紹介され、見に行ったら気に入った。現時点のライフステージにおいて、住まいとして良好で、資産としても優れた中古物件との出会いであった。物件購入の決め手は立地。埼玉県から東京都内への通勤経路の便利さと駅からも近く、将来売ることもできる物件という感触。生活施設の充実(区役所・区民センター・保健所・美術館など)で、住宅地としての落ち着きがあった。2人暮らしには充分で快適な大きさだった。

■延べ床面積107.33m2(リフォーム工期2ヶ月):購入価格約6600万円+リフォーム費用864万円=7464万円

◇事例3=夫(30代)、妻(30代)、長女(2歳)子育て期

中古購入のきっかけは、社宅にいたが退去することになったこと。友人に「家を探している」と話したところ、友人の両親が住んでいたマンションで、現在の物件の売り出しチラシがでたと聞き、早速不動産会社に連絡を取り、メンテナンス履歴を調べてもらう。新築物件も探したが、駅から10分以内は見つからず、思い通りの間取りも見つからなかった。

物件購入の決め手は、都心の駅から徒歩10分以内で、周辺に大きな公園が3つあること。希望通りの専有面積70m2、庭付きで目当たりがよい。リフォームしていない中古物件で、スケルトンリフォームが出来ること、購入予算4000万円台にみあったこと―でした。

■専有面積71.50m2(リフォーム工期2ヶ月):購入価格十リフォーム費用=約3550万円十873万円=4423万円


◇事例4=夫(30代)、妻(30代)、長女(3歳)[子育て期]※現在は長男が生まれ4人家族

『高級感溢れる都心の中古を購入。明るいLDKから緑を眺める暮らし』

中古購入のきっかけは、子供が生まれて住んでいた家が手狭になり、新築マンションを買おうと考えていた。慣れ親しんだ渋谷区と港区内にエリアを定めて探したが、なかなか「欲しい」と思える物件に巡りあえず、中古マンションに目を向けるようになった。そこへ、通勤途中に見かけるマンションで以前からいいなあと思っていた古いマンションが売りに出たというチラシが舞い込んだ。物件購入の決め手は、慣れ親しんだ渋谷区で、安心して遊べる公園が近くにあったこと、ファミリータイプで広さも十分であったこと。

■専有面積112.33m2(リフォーム工期約2ヶ月):購入価格6000万円+リフォーム費用1570万円(111.0?)=7570万円

◇事例5=単身女性(70代)〜熟年期

『娘さんの住む隣の部屋を購入。広々LDKで楽しむ愛犬との暮らし』

これまでの住まいは、千葉県の庭付き一戸建て。 10年前にご主人に先立たれてからは一人暮らしで、愛犬の世話と趣昧のガ−デニングにいそしむ日々を送っていた。結婚して都心に住む娘から、マンションの隣室が売りに出たので「そばに引っ越してこないか」とのこと。地下鉄の駅にも近く外出にも便利なので、思い出の残る町を離れる決意を固めた。物件購入の決め手は、娘家族の隣室に住め、駅から徒歩5分以内、緑豊かな自然環境もあること。

■専有面積75.75m2(リフォーム工期約3ヶ月):購入価格3800万円+リフォーム費用1315万円=4315万円

◇中古住宅にバリューアップリフォーム

事例でも、本的な性能維持にとどまらず、現在に合った仕様に性能をアップし建物の価値を高めたリフォーム、そして新築住宅の性能を意識し、必要と思われる性能アップ、バリューアップリフォームが施されています。

バリアフリー&ユニバーサルデザインでは、
○浴室やトイレの出入口の段差を解消して、つまずきや転倒を防ぐ
○玄関ドアのハンドルを大きくし、使い勝手をよくする
○スイッチはワイドタイプに変更し、使い勝手をよくする
○将来に備えて手すりを設置し、生活の安心をプラス
〜の各種工事です。

ライフスタイルに合わせて、
○リビングとダイニングとの開口部を広げて、開放的な空間に
○カーペットからフローリングに、クロスやカウンター材もインテリアイメージを統一して一新
○キッ千ンは食器洗い乾燥機の導入や、タイルをキッチンパネルなど、手入れのしやすさを考慮し、合わせて収納量アップ
〜と価値を高めるリフォームです。

事例にもあるように「中古住宅購入×リフォーム」のメリットを、12項目にまとめています。
1) たくさんの物件の中から選べる
2) 希望の物件が見つかりやすい
3) 新築に比べ、割安な値段で買える
4) 実物の部屋を確認して買える
5)管理状態を見てから買える
6)隣人がどんな人か事前に分る
7)欠陥住宅のチェックが可能
8)購入から入居までの期間が短い
9)自分に必要な設備を選べる
10)予算と必要にあったチョイスができる
11)好きな素材・コーディネートができる
12)暮らしに合った「世界に一つだけの家」が手に入る 

調査レポートの結論で、ライフスタイルが多様化する現代、暮らしに合わせた「住替え」のニーズに対し、「中古住宅購入×リフォーム」がより魅力的で価値あるものだと考える、としています。そのメリットが多いことは、これらの事例でも多数紹介されています。

しかし、購入者が良好な中古住宅を求めるには、現状では新築に比べて問題点が多いのも事実で、中古住宅購入の阻害要因となっています。その解決のためには、第一に仲介のシステムとリフォームがワンストップで提供できる仕組みづくり。第二に、仲介、リフォームが相互に情報具有し、よりスムーズに必要とされる情報・サービスの提供が必要、とも記しています。

中古住宅が新築並みに消費者に選択されるには、中古流通業界の整備など、まだまだ超えなければならない高いハードルもあるようです。


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住宅ジャーナリスト 岡田憲治 末吉正浩
プロフィール
沖縄県生まれ。日本大学法学部新聞学科卒業。重化学工業・食品・住宅など各産業専門誌に記者として勤務した後、85年(株)コスモジャーナル社を設立し、隔週刊『リフォーム&インテリア』を創刊。同年より同誌編集長となり、現在に至る。
主な著書に『リフォームで儲ける建設・不動産会社』『笑いの止まらないリフォーム会社の作り方』『住宅リフォーム・原価のからくり』『住宅リフォーム・良い業者・ダメな業者』(エール出版社)『インテリアリフォーム百科』(共著・インテリア産業協会)『住宅リフォーム実務マニュアル』(共著・産業調査会)など多数。
 住☆リフォーム・ねっと http://www.cosmoj.co.jp/

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