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リフォームかわら版

ネット時代の優良リフォーム会社選びは?
バーチャル(仮想的)からリアリティ(現実感)へ
リフォーム&インテリア編集長
          
末吉正浩

インターネットによるリフォームの依頼が、ここ2、3年急速に増えているようです。都内のある中堅リフォーム会社では、年間工事高が約10億円ですが、その内5億円がネット経由の工事高というまでに、インターネットで売上を上げているリフォーム会社でてきました。年金や保険も不確かな時代にあって、慎重に現物を確認して決定すると言うことでしょう。しかし、ある大手のリフォーム会社では、今年になってモデルルームでのリフォーム相談が増えているという傾向があるとしています。ネットの限界を感じたリフォームユーザーは、過度のネット依存からモデルハウスやショールームへと足を運ぶユーザーも数多く見られるようです。最近のリフォーム情報の入手手法を追ってみました

1、ネット活用そのメリットと限界

リフォーム業者を選ぶための情報の入手方法が様変わりしています。過去には、新聞雑誌の広告や訪問営業、それにチラシが主でした。8年程前には、新聞折り込みや郵便ポストへの投げ込むチラシが1日に4枚、5枚は珍しくなく、またスーパーのチラシ並みに低価格を宣伝するなど各社が猛烈な競い合いをしていたこともありました。それが悪質リフォーム訪問販売の小道具にも使われるようになって、急速に信頼性を失い、チラシによるリフォームアピールが今では激減しています。

最近では、この神奈川リフォームコックさんもそうですが、インターネットによるリフォームの情報収集が盛んになっています。しかも近年登場したポータルサイト(インターネットの入り口または玄関口に相当する商用のWebサイトのこと)では、リフォームを考えている生活者が費用、業者、工期、事例などを客観的に比較、判断できるようになったこともあり、誰でも情報収集や業者選びが可能になったというような、インターネット環境も整ってきました。住宅リフォームの団体である住宅リフォーム推進協議会の調査でも「インターネットによるリフォーム業者選びが増えている」という結果が出ています。

リフォームする世帯主の年齢層をみると、60歳台、50歳台が多く、世帯主の平均年齢は首都圏で54.6歳。30代、40代がネット世代と思われていたが、60代にもネットによる情報収集が広がっているようです。

従来の地域の情報として地縁、血縁に頼らない事業者選びが世代を問わず増えているのです。企業からの一方的な情報に飽き足らない賢い消費者が、自前で情報を集めだしたのです。振り込め詐欺など個人情報の悪用で敏感になって、匿名でインターネット経由の情報収集ができる、ということに魅力を感じているのも理由の一つでしょう。

2、業者はHPやブログの充実などの対応策

情報収集だけではなく、実際にリフォーム業者とユーザーが出会うポータルサイトから、見積もりから契約までを取り持つマッチング(仲介)サイトも定着するなど、ネット上でのリフォーム企業の売上を後押ししています。

ネット利用者の大幅な増大、光通信などによる高速大量データ通信で様々なサービスが可能になる時代となり、リフォーム業者のホームページ作りもより活発になってきたことがその背景にあります。そしてネット検索が一般化している今、ユーザーからは、ホームページを持たないリフォーム業者は信用できない、といわれるところまで来ています。

リフォームの団体である日本増改築産業協会の2年前の調査によれば、現状では、「80%以上の企業が(1)自社への案内図95.2%(2)施工事例集93.2%(3)得意分野を特に強調81.0%を掲載。60‰以上の企業が(1)経営理念(方針)(2)イベント情報(3)FCやメーカー、協会(ジェルコ等)に所属する組職名の明示(4)資格者やその人数(5)経営者(社員等)の顔写真(6)社内情報を開示する」、などとなっています。

掲載内容では、ブログ、お客様の声、リフォーム相談室の設置などユーザーの意見を吸い上げようという情報内容までに進化しています。

3、リフォームユーザーの関心事とは?

先日、ネットのマッチング(業者の紹介・仲介)サイトを専門的に運営しているホームプロ(登録会員社数約400社)の社長の講演を聞く機会がありました。ネットを活用している本格的なリフォームを目指す300万円以上の「高額リフォーム」リフォームユーザーが、どういったことを重視するか。まず上位に「施工技術が高い」、「気楽に相談できる」、「信頼度が高い」「接客対応がいい」、「アフターサービスが充実している」に注目。さらに、企業の「信頼性」を気にし、「空間リフォーム」の要望が多く、「プランニング、空間の提案力、デザイン性」重視とが読み取れる、としています。また、契約会社の決定理由は、営業担当者の対応、要望を理解してくれた、礼儀正しかった、提案内容が良かった、適切な間取りを提案してくれた、デザインセンスが良かった―という企業評価が必須でした。

逆に、プラン・見積もりまで行ったものの「契約しなかった理由」としては、営業担当が「提案内容、情報を理解してくれなかった」、「適切な間取りを提案してくれなかった」としています。ほとんど訪問営業と変わらない対応と評価ですね。

ユーザーの多様な要望に応えるため、ネット営業の会社では工夫を凝らしています。まず、マッチングサイトから紹介されたユーザーからメールを送ると、担当者は、ニーズを的確につかんで、どのように返信すれば良いか、メールの返信に工夫を凝らしています。特定メーカーを指定する人には、どうアドバイスするか、掃除をしやすいという人にはどういう風にとか、を研究しているのです。

ネットでの情報収集は、手軽で膨大な量の情報をユーザーの自己責任で取得するために問題も出てきました。

ホームプロ同様にマッチングサイトを運営しているホームクリップ(登録会員社数約1000社)では、業務品質問題を重視する方向を打ち出しています。ネット時代のリフォームユーザーの3大不安として、

.価格  2.信用  3.工事―を指摘しています。

これらの不安を見極め、信頼できる情報をユーザーにどう提供するか。ネットビジネスでは、ユーザーに信頼されるリフォーム業者と正確な情報を提供することがマッチングサイトでも重要な課題です。対策として業務品質基準の作成として解決が図られてきました。それは、会社概要、現場調査 、見積時・契約前、契約時、着工前、工事中、自社最終検査、引渡し、アフター、というように30項目にわたる「リフォーム品質基準認定店制度『業務品質基準』」を打ち出しています。


4、リフォーム見積もり前にバーチャルからリアリティへ

先月末には厳しい景気予測が出され、可処分所得の使い道に敏感になっている生活者がリフォームに慎重になってきたようです。その証拠に、面談や現調から契約までの期間が長くなっているという、リフォームの営業現場の声も届いています。国で保護するので万全と思っていた銀行や保険会社も倒産する時代です。業務品質が情報開示されても、それが万全ではありません。会社の実態を知らない中で、メンテナンスなどの長期保証をどうするか、不安は増してきます。

現にある住宅メーカーの決算の記者発表で、今年の上半期の受注でインターネットからが減少し、モデルハウスが増えていると言っています。コンピューターの普及が一巡したためなのか、ユーザーがネットに限界を感じたのか不明としながらも、モデルハウスやショールームの見直しを強調しています。

「バーチャル」とは、辞書によれば、「実体を伴わないさま。仮想的。疑似的。」とされますが、一方の「リアリティ」は、同じく「現実感。真実性。迫真性。」と記しています。

楽天に代表されるバーチャル商店街では、今急速に売上を伸ばしているという。しかしリフォームはそれらの商品のとはモノが違います。商品が手元に届いて、関係はおしまい、ではありません。それぞれの生活者の暮らしにあった希望を盛り込んだ、あらかじめ形で示されないリフォームという商品を、何百万円からン千万円という金額で契約します。そして現場調査の前にバーチャルが終わり、特定の場所にある一定期間職人がリアルに工事をします。工事完了で引渡しがあっても、不具合の調整やメンテナンスの期間という現実が待っているのです。

ともあれ、きっかけや情報収集の初期段階はネットであっても、インターネットが主流になっても、リフォームの仕事は人的な要素が強い分野であるのに代わりはなく、現調から見積もり、契約、という現実把握が肝要です。ネット検索による情報収集とモデルハウスやショールーム見学、担当リフォーム会社の見極めは、禍根を残さないためもリアルな目で厳しくありたいものです。


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住宅ジャーナリスト 岡田憲治 末吉正浩
プロフィール
沖縄県生まれ。日本大学法学部新聞学科卒業。重化学工業・食品・住宅など各産業専門誌に記者として勤務した後、85年(株)コスモジャーナル社を設立し、隔週刊『リフォーム&インテリア』を創刊。同年より同誌編集長となり、現在に至る。
主な著書に『リフォームで儲ける建設・不動産会社』『笑いの止まらないリフォーム会社の作り方』『住宅リフォーム・原価のからくり』『住宅リフォーム・良い業者・ダメな業者』(エール出版社)『インテリアリフォーム百科』(共著・インテリア産業協会)『住宅リフォーム実務マニュアル』(共著・産業調査会)など多数。
 住☆リフォーム・ねっと http://www.cosmoj.co.jp/

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