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安手のぺらぺらの大きな紙に、風呂やキッチンセットなどのリフォーム商品を細かく並べ、各商品の値段が安いことを強調する。そのような新聞折込チラシが、ある時期に首都圏でも大量にまかれました。そして電話で好みのリフォーム商品を問い合わせると、60分以内に担当の営業マンが駆けつける。
スーパーのチラシと酷似したそのリフォーム商品価格の判り易さもあり、安さを求めるリフォーム希望のお客さんがこれに注目、急速に売上を伸ばした店も多かったように聞いています。
業者の間ではこの営業方法を「チラシ反響営業」といっていて一世を風靡した、訪問販売に代わる営業スタイルです。しかしこの種のチラシがここ3、4年見かけなくなりました。
その理由は、第一に、生活者がリフォームを決断するのに必ずしも価格の安い商品に満足しなくなったこと 。リフォーム商品がスーパーで「モノ」と同じではなく、取り壊し取り付けるという職人による施工技術が大事です。施工に問題があれば、あとあとトラブルで悩まなければならないことが分かってきたのです。
第二に、サギ集団による「犯罪リフォーム」や建築の最高の国家資格を持っている一級建築士などによる「耐震偽装」問題が国会やマスコミで取り上げられました。生活者としては自分にいつ降りかかってくるか分からない。しかも役所も含めて建築のプロが信用できない、というほどに不信感が広まっています。
リフォームをするのに「どこに頼んでいいか分からない」ということで、リフォーム企業にも安全・安心・信頼が強く求められるようになってきたのです。
6月末には平成17年度(06年3月)の上場企業の決算発表がありました。日経新聞の30日の朝刊には、「4期連続で経常増益」、「増復配、企業の45%実施」、「配当利回りも回復基調」の見出しが躍っていました。夏のボーナスも前年比を上回り、雇用も順調に伸び、中元商戦も活発化し、景気が上向きだとされています。
筆者は、約20年にわたり毎年にリフォーム専業の業績を取材していますが、一部を除き大手でも、一般市場と異なりリフォーム業はことのほか厳しい状況でした。平成17年度は 、年後半から3月までの業績は思わしくなく、特に過去に「チラシ反響営業」で右肩上がりに短期間に売り上げを伸ばしてきたリフォーム専門会社が、大きく売上を落としたと決算で発表しています。
決算発表で分かったことは、大手の企業系列だから、雑誌やTVによく広告を出しているからという理由で、良質のブランドではないことを生活者が見抜いたのです。
昨年6月から今年にかけて国会で取り上げられ、マスコミで話題となった「犯罪リフォーム」や「耐震偽装」が実際に各社の契約件数に影を落としているようです。報道に不安を感じた生活者は、決定を慎重の上にも慎重にということでリフォームを先延ばしする傾向が見られたと言う。
本来のリフォーム店の役割は、地域に根ざした地域密着、人密着が基本であり、いわば住まいのホームドクターなのです。
売り逃げではなく、社員の使い捨てでもない、常時住まいについてのプロが相談にのれる店なのです。不具合やメンテナンスで安心して任せられる信頼の身近な暮らしの店、社長や店長の顔が見える店。そこには、スーパーやコンビニにはない専門店としての来店者とのコミュニケーションがあります。
それに優秀な職人さんを抱えておれば、技術的にも問題は無く、業者用語で言う「顧客満足」の条件が揃っています。これが本来の「安心・安全・信頼」のリフォームのブランドではないでしょうか。コミュニケーションにより、専門業者のレベルが判断できるはずです。
価格は重要ですが 、唯一の価値判断基準ではないというリフォーム店の選択の要件ではない、と考える人が多くなってきたのです。それに応えるべく、地域のリフォーム店が目覚めてきており、勉強会も盛んになっています。その成果は 、賢いユーザーの消費行動が本来の意味のリフォームブランドを決めていくでしょう。
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