最近、街で『2009年横浜港開港150周年』のポスターを見かけるようになりました。先月そのお祝いのプレイベントとして、山手の西洋館で「西洋館と日本の器」展が開催されました。 横浜港は、安政5(1858)年通商条約締結により開港し、山手には外国人居留地としてさまざまな洋館が建てられました。その後、関東大震災でほとんど消滅してしまいましたが、復興の努力により建て直されたものが、現存する西洋館です。マンションブームや建て替えなどで次々に取り壊される危機もありましたが、横浜市が「歴史的建造物の保存」に取り組み、現在7棟が無料で一般公開されています。
(1)外交官の家
明治43年、東京渋谷に建築された外交官の邸宅。設計はJ.M.ガーディナー(アメリカ)。平成9年、横浜市に寄贈された建物を山手の地に移築、一般公開となりました。国の重要文化財にも指定された、見どころいっぱいの西洋館です。 イベントテーマ:「Aura of JAPAN」有田・美の旋律
(2)ブラフ18番館
関東大震災後に建てられた外国人住宅。その後カトリック山手教会司祭館として平成3年まで使われたのち横浜市に寄贈され、現在の地に移築しました。“横浜家具”の復元も見られます。 イベントテーマ:ジャポネスク〜EAST meet WEST〜
(3)ベーリック・ホール
イギリス貿易商B.R.ベーリック氏の邸宅として、昭和5年にJ.H.モーガン(アメリカ)の設計で山手に建築。その後カトリック・マリア会の所有となり、平成13年横浜市に建物を寄贈。市は建物の所在する用地を取得しました。 スパニッシュスタイルを基調とした価値ある建物です。 イベントテーマ:「漆」自然から生まれた器
(4)エリスマン邸
生糸貿易商のエリスマン氏の邸宅として大正14年に建築。設計は“F.L.ライトの弟子”としても知られるアントニン・レーモンド(チェコ)です。昭和57年、マンション建設のため解体されましたが、平成2年現在の地に移築復元されました。 イベントテーマ:土より生まれいづるもの
(5)山手234番館
昭和2年、民間が建設した外国人向けのアパートメントハウス。設計、朝香吉蔵(日本)。 平成元年横浜市が取得。 イベントテーマ:「七夕を祝う」室礼とテーブルコーディネート
(6)横浜市イギリス館
昭和12年、上海の大英工部総署の設計により、英国総領事公邸として建築。昭和44年横浜市が取得し一般公開されています。 イベントテーマ:「ふたり」から「ひとり」へ、「乾いた社会」から「やさしい社会」へ
(7)山手111番館
大正15年、アメリカ人ラフィン氏の住宅として建築。設計J.H.モーガン(アメリカ)。横浜市は平成8年建物の寄贈を受け、敷地を取得。昭和初期の洋館を体験できると共に設計者モーガンに関する展示なども行なっています。 イベントテーマ:異国の出会い「緑色」の一期一会
これらの西洋館は見学のほかにも、代表者が横浜在住・在勤であれば集会室やホールの利用も格安でできるようです。貴重な文化財を肌で感じてみてはいかがですか
インテリアコーディネーター。小玉靖子スペーススタジオ代表。日本フリーランスインテリアコーディネーター協会相談役。インテリアプランナー・キッチンスペシャリスト・二級建築士の資格も取得。著書に「インテリアコーディネーション」「インテリアアクセサリー」など。