先日、低い高度を飛ぶ国内線に乗った。高度8500m程度なので、窓から下を見ると山々や平地には街並みが遠望できる。しばらくは久しぶりの景色に見とれていたが視線を水平方向に戻すと、薄墨色にたなびく雲状のものが目に入った。真っ白い雲とは明らかに違う。聞けばスモッグとか。羽田から山口宇部空港までそれは続いていた。地上からは全く目に入らないし、飛行機に乗っても1万mを超える高度になると見えない。日本の上空、いやおそらく地球をぐるっと取り巻いているであろうスモッグを目の当たりにして環境汚染を身近に感じた。
1997年に京都で開かれた地球温暖化防止会議以降、日本でも環境保護への意識が徐々にではあるが高まっている。その具体的な現れの一つが、太陽光発電システムの普及といえよう。これは、地球上に降り注ぐ太陽の光をエネルギーに換え、電気をつくり出すシステム。発電時に石油や石炭などの化石燃料を使わないため、地球温暖化の大きな要因である二酸化炭素(CO2)や大気汚染物質を排出しないエネルギーとして、多少なりとも環境保護への貢献になる。
具体的には、太陽の光を電気に替える太陽電池モジュールを屋根に取り付け、太陽電池で発電した直流電力の変換装置であるパワーコンディショナに送る。ここで家庭で使える交流電力に変換して分電盤から住宅内で使用する電気を分配する構造。エコロジカルバージョンの自家発電といっていいだろう。発電した電気は蓄電できないため、太陽が出ない夜間や雨・くもりの日は足らない電気を電力会社から買うしくみになっている。ただ、晴天が続く夏季などは余った電気を電力会社に売れるメリットもある。これを上手に利用すると、電気代が数百円ですむ月もあるそうだ。
とはいえ、設置費用は1kw当たり平均で70万円前後。一般家庭の使用電気料をまかなうには4kw程度の太陽電池の設置が必要で、単純に計算しても約280万円前後の費用がかかる。屋根に載せるときの足場を組んだり、その他諸々の費用を加えるとかなりの価格になる。ところが、この費用を補助していた経済産業省の住宅用太陽光発電促進事業は、平成17年度をもって終了したという。機器普及率の向上、低価格化が進んだことが理由のようだが、地球環境を維持していくためにはまだまだ後押しが欲しいところだ。各地方自治体では補助金や助成制度を継続しているところもあるので、導入を考えている場合は問い合わせてみるとよいだろう。