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■設備と建材のトレンド情報
     
<ミストサウナ>
―1000分の1mmのミスト(霧)を体験−

住宅ライター
香川喜久江

●独自の人造大理石が快適さをつくり出す

静岡県浜松市にあるヤマハリビングテックの工場で、浴室のミストサウナを体験できると聞いて参加してみました。横浜駅前から東名高速をバスで飛ばして約3時間半。田園風景の中にヤマハリビングテックの工場がありました。敷地は45,000坪、50坪の住宅なら900軒も建てられるという広大な広さです。

ヤマハは、ピアノなど楽器製造で世界に知られる会社。ヨットやオートバイでもYAMAHAを知っている人は多いでしょう。キッチンやシステムバスルームなど住宅設備でも独自の路線を確立して、ひと味違う魅力的な製品を送り出しています。

それを実現したのが、ヤマハが独自に研究・開発してつくり出した人造大理石でした。熱やキズに強く、どんな形状にも自由に加工できる。大理石を超えて、快適さをつくり出す「マーブルクラフト(人造大理石の匠)をめざしているそうです。

今ではキッチンやシステムバス、洗面室などに使われ、既存の人造大理石にはないカラフルな色調が人々の憧れの的。とくに、カウンター部分との継ぎ目をなくしたキッチンシンクは、汚れが付きにくいメリットを持つ画期的な商品です。今回の工場見学ではヤマハならではの技法による人造大理石のコースーターづくりにも挑戦しました。

ミストサウナを体験するシステムバスルームにも人造大理石の技術が生かされ、バスタブのカラーは全24色。つややかで温かみのある質感が人々を魅了しています。

●ミストサウナはバスルームの暖房も

ヤマハリビングテックの本社工場内には、入浴を体験できる9つのバスルームが設置されています。私が使ったのはシステムバスルーム「ビュート」TZシリーズ、Hグレードという最高クラスのフル装備。サイズは幅2m5cm×奥行1m60cmの1621W。ワイドなバスタブ付きで、わが家の浴室の2倍はあろうかというゆとりの広さです。

「ビュート」は、2004年のフルモデルチェンジを機に、体への負担が少ない浴室をめざしてユニバーサルデザインに取り組みました。浴室のまたぎの高さ、浴室用の椅子の高さ、水栓操作部の位置での人の動きや収納棚の高さなど、人間工学に基づいてデザインされています。これによって生まれたのが、バスタブ縁(またぎ部分)をグランドピアノを連想させる美しいS字型の曲線で構成。へこんだ部分は底の段差(ステップ)を高くした半身浴ゾーン、緩やかな曲線で包み込まれた広い部分は体格のよい人もゆったり肩まで浸かれる全身浴ゾーンです。半身浴ゾーンの横に体を洗うなど動きを伴う広いシャワーゾーンをレイアウトして使いやすく構成されています。バスタブは家族と一緒に入浴できるゆとりの広さです。

さて、ミストサウナは壁に取り付けられた操作盤でスイッチON。水栓操作部のカウンター下からミストが吹き出します。ミスト1粒の直径は約1〜3ミクロン。1ミクロンは1000分の1mmですから、目に見えないほどの小さな粒子がまるで煙のように吹き出します。霧吹きの霧は約100~300ミクロンといいますから、その小ささがわかるでしょう。吹き出したミストは40度前後と、一般のサウナ(約90度〜100度)ほど熱くはないので、ラクに気持ちよく浴びることができます。微細なミスト粒子が熱を体に効果的に与えるので短時間で体が熱くなり、汗が出てきます。

ところで、ミストサウナは約10分浴びると毛穴が開き、普通入浴の1.5倍以上の汗をかくそうです。汗とともに肌の汚れや老廃物、皮脂が洗い流され、肌に含まれる水分量(保水量)もアップしてキレイな肌になれるとか。ちなみに体の老廃物や汚れはエステやサウナで内側から自然に流すのが理想的で、健康にもよいといわれています。といっても、現代人にはなかなか時間が取れないし、熱いサウナに入る機会もそうそうありません。わが家の浴室にミストサウナがあったら、とついつい夢を描いてしまいました。

●体を洗う場所から、心も洗う場所に

ただ私の場合、せっかくのチャンスだからと、テレビをつけたり、アクアソニック(浴室音響システム)を確かめたり、アクアマッサージ(ノズルから大量の噴流が出て泡立つ)を試してみたり。時間はあっという間に過ぎてしまい、すべてを試すことはできなかったのが残念! 本来のミストサウナをじっくり試す時間もなくなってしまいました。したがって、ミストを浴びた時間はわずか2〜3分とホントーに短かったのですが、体がぬくぬくと温まりました。せっかくだからとバスタブにも入ってみました。バスタブの湯温は低めで、ほてった体にぬるめの湯温が心地よく、リラックス気分が味わえました。ミストサウナは、バスルーム全体がサウナになり、のびのびくつろいでリラックスできるのもメリット。「体を洗う場所から心も洗う場所に」という浴室づくりへのヤマハのスローガンが実感できました。

ところで、ミストサウナの消費電力は、1分当たり4,2円とのことですが、ぬるいお湯でも満足できることを思うと光熱費も安くてすみそうと、思わず皮算用をしてしまいました。今後は1分当たり2.9円程度と消費電力の低いタイプも開発中だそうです。

「ビュート」のTZシリーズとMZシリーズには標準装備されていますが、オプションで選択する場合は13万6500円(税込)。湿度の高いミスト粒子は熱を伝えやすいため、入浴の寸前にスイッチを入れておくとすぐに温まり、しかも噴き出し口が下方にあるため足元のフロアからバスルーム全体を暖め、温度差が引き起こすヒートショックも防ぐことができます。

ミストサウナは、ヤマハのショールームで体験できます。ショールームによっては展示のみの場合もあるので、あらかじめ確認して申し込むとよいでしょう。

 
ミストが充満したシステムバスルーム
 
浴室前の洗面室
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香川喜久江/かがわ きくえ
プロフィール

住宅ライター 住宅展示場の企画運営を経て、ライターに。幅広いテーマで全国各地を飛び回る。

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