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ぶつくさおばちゃんの独り言
「二代目、頑張る」の巻き
エッセイスト ぶつくさおばちゃん

新築にしろリフォームにしろ、業者探しには随分と頭を悩ませられる。おばちゃんの仲間うちでは、「できれば地元に本社があり」、「わが家からそう遠くないところにある業者」というのが条件としてインパクトがあるようだ。

 となると、必然的にいくつかの工務店の名前が頭に浮かんでくるのだが、大工さん=和風、頑固、一昔前・・・(ゴメンナサイ)、といったイメージが邪魔をする。雨漏りや、床や壁の老朽化を直してもらう分にはいいが、リフォームでインテリアを含め住空間のよりグレードアップを夢見るミセスには、何となく心許ないというのが正直なところである。

 先日、近くで純和風住宅の見学会があるというので出かけた。会社名を見ると聞いたことがない。カタカナ名前で、どうも工務店らしいのだが氏素性がまったく分からない。気をつけて広告を見ていると、近頃この手の住宅会社がよく目につく。

 話は飛ぶが、実はおばちゃんは見学会が苦手である。粗品貰いに見られるのが嫌で何となく腰が引ける。玄関を入る→目の前に粗品がずらりと並んでいる→受付嬢:ニッコリ笑って「アンケートをお願いします」→受付嬢:心の中で「アンケートを書かないと粗品はあげませ〜ん」・・・てな情景が目に浮かんでしまうのだ。

 けれども、純和風というのは最近珍しい。エイ、ヤァ、とプライドをかなぐり捨てて出かけてみると、外観はもとより、アプローチも庭もすべて純和風に統一された素敵なお宅だった。内部も木をふんだんに使い、丁寧な仕事で好感が持てた。それでいて水回りや空調、設備関係には最先端のものが取り入れられているのだが、まったく違和感がない。洗練された心落ち着く良い家だった。

「こんなセンスのいい家を建てる会社が近くにあったっけ? 」

 営業マンがそばに来たので、さっそく尋ねてみた。

「あの〜、○○ハウスさんて聞いたことがないんですが、どういう会社ですか」

「父の代には○○工務店と言っていたんですが、僕が跡を継ぐことになって社名を変えたんです」。

 話によると、どうやら彼は長く大手ハウスメーカーの営業マンをしていたらしい。父親の跡を継ぐことになり、下請業から抜け出そうと営業部門を強化するとともに、社名もイメージチェンジを図ったという。この純和風住宅は、ハウスメーカー時代に知り合った一級建築士に設計を依頼したのだという。

 これでようやく納得がいった。先代や職人さんたちが永年培ってきた大工の技術力と実績。そこに二代目が大手ハウスメーカー時代に蓄積した家づくりのセンスと最先端技術、情報網が合体したわけである。これこそ最強の布陣ではないか。

 さらに話を聞いて驚いた。以前ウチの親戚が車庫兼物置小屋をリフォームしたのだか、それを手掛けたのが彼の会社で、これが縁で住宅の建て替えも依頼されたというのだ。こんなことってあるのネ、世間は狭い!

 似たような話を、湘南のある工務店で聞いた。古くからのお客様が二世帯住宅にリフォームすることになり設計を頼まれたが、若夫婦がどうしてもハウスメーカーに依頼すると言って聞かない。そこで社長に代わって息子さんが打ち合わせに行くようになったところ、話がトントン拍子に進んだというのだ。

 この息子さんもやはり、父親の仕事場を遊び場がわりに育ち、卒業後は住宅関連会社で実務を学んだという。そして何より、生粋の湘南ボーイである。お客様のイメージするもの、求めているものを敏感にキャッチできるのも頷ける。二代目、恐るべしである


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ぶつくさおばちゃん
エッセイスト。雑誌・新聞社、住宅メーカーなどの編集業務に携わり、現在、エッセイストとして活躍。

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