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リフォームかわら版
快適に暮らすには、
家のメンテナンスを“趣味”にしよう
ハウジングアナリスト 松下寛光

住まいを快適に末永く使うには日頃のメンテナンスが大切です。そんなことは誰でも分かっていることなんですが、なかなか実践できないというのが大方の人の実情ではないでしょうか。

「ここまで放っておかないで、早く連絡をくれるとか、自分で修繕しておけばよかったのに」とある工務店さんが嘆いていました。それは、床がちょっとおかしいので来て欲しいといわれたお施主さんことです。聞いてみると、覚えもないのに台所の壁と床の隙間に水が浸みていることがあったというのです。

結露か雨漏りか、と思ったこともあったそうですが、天井に浸みはないし、隙間にできた浸みもそのつど拡大しているわけでもなく、壁なり床を剥がして確認することもままならず、そのうち乾いてしまうので放置したままだったようです。


工務店さんが出向いたときは、床下の土台が腐り始め、床鳴りがしていたそうです。原因は外壁のコーキング部分が経年劣化で亀裂が入り、雨水が浸入していたのです。腐った土台を取り替えなければならないので、工事も大がかりになり費用も嵩みます。

もし、このお施主さんがコーキング材の耐用年数など多少の知識があり、日頃からメンテナンスに気を使っていたら、ここまで大げさなことにはならなかったでしょう。

もう、後の祭りですが、ぜひ今回の教訓をこれからの暮らしに活かしてもらいたいものです。


ところで、アメリカ人は常にこまめにメンテナンスをする国民だといわれています。それに比べて「日本人は車はピカピカに磨くが、家の手入れはまったくしない」と揶揄されています。

そんなことが気になっていたので、アメリカに行ったおり、機会を見つけてはいろいろな人に聞いてみました。事前の知識として「アメリカ人は家を買い換えるときに、少しでも高く売れるように、メンテナンスをよくする」と、聞いたことがありました。が、決してそれだけでないことが分かりました。


根っから自分の好みにあった住まいづくりに精を出すのが好きなようです。インテリアの模様替えや庭のガーデニングが好きで、手を加えるたびに友人、知人に披露して“自慢”したがるのです。

また、友人、知人もその出来映えを褒めることに余念がありません。ベッドカバーひとつにしてもインテリアのひとつとして自慢の対象になります。「これはハワイで見つけてきたの、伝統的な柄がとても気に入っているの…」といった感じです。それが手作りのパッチワークのベッドカバーともなると、賞賛の的になることでしょう。


こうした国民性なので、おのずとメンテナンスにも気が回り、自分でできるところはDIYで修理してしまいます。DIYに必要な資材や道具はホームセンターに行くとすべて揃っています。ちょっとした町に必ずホームセンターがあるほどで、それだけ需要が旺盛ということなのでしょう。

家を転売するときに高くしたいというだけでは“労働”ですが、家いじりが楽しくてしょうがないのであれば“趣味”“道楽”になります。われわれ日本人も見習うべきかもしれません。

ホームセンターで買った資材を積み込むアメリカの主婦
(ロサンゼルス郊外)
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松下寛光/まつした ひろみつ
プロフィール
住宅アナリスト 1948年札幌生まれ。住宅産業新聞編集長を経て1993年独立、住宅から森林、環境問題まで幅広いジャンルで評論活動を展開している。プロデュース会社(有)インパルス代表取締役。
インパルス・ハウジング・ネット http://www.impulse.co.jp

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