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“地震に強いまちづくり”は
   自治体・地元工務店・住民の協力が大切
ハウジングアナリスト 松下寛光

●まちづくりに地震対策は不可欠

先日、東京・多摩市の工務店に取材に伺ったおりに聞いたのですが、来年度から3ヵ年計画で地元の工務店が多摩市に建っている昭和56年以前に建設された木造住宅を全棟訪問して耐震診断するそうです。診断した結果、耐震改修工事が必要であれば、それにも対応します。

いまでは、多摩市にかぎらず多くの自治体が住宅の耐震化に取り組んでおり、耐震診断・耐震改修工事に補助金を出すなどのバックアップをしています。それは、住民が安心して暮らせるまちづくりを目指すうえで、地震対策は不可欠だからです。

阪神淡路大震災の教訓を持ち出すまでもなく、ひとたび大地震に見舞われると膨大な復興資金が必要となります。そうなる前に、地震に強いまちづくりに資金を投入しておく方が復興資金を削減することに繋がり、被災者も少なくてすみます。

地域予防医療と同じ考え方といっていいでしょう。病気になってから医者にかかるよりも、その前に健康診断をして日頃の健康維持に努める方が、全体の医療費は安くすみ、住民も安心して暮らせるからです。

多摩市が進んでいるなと思ったのは、古い木造住宅全棟(約3600棟あるそうです)、市から指定された地元工務店が手分けして、1件1件訪問にして耐震診断するという点です。

他の自治体の場合、住民からの要請に基づいて補助金を交付するケースが多く、それも手続きや対象条件が煩雑で使いづらいという話しをよく聞きます。

●3者のコミュニケーション

多摩市は自治体・地元工務店・住民3者のコミュニケーションがうまく取れているのではないでしょうか。この3者が協力しなければ“地震に強いまちづくり”を実現させることはできません。

素朴な手作りのチラシを見ていただきたい。多摩市と関連団体が「地震被害から我が家を守りましょう」と訴えている住宅セミナーの案内です。専門家のセミナーに加えて木造住宅の耐震改修工法のパネルや模型も展示されるそうです。



さて、あなたが住んでいるまちの地震対策はいかがでしょう。筆者もわがまちの状況を調べてみましたが、耐震診断の補助金制度はあるものの、残念ながら多摩市ほど先進的ではありませんでした。


しかし、単に自治体の取り組みを責めるだけではダメだとも感じました。住民サイドのひとりとして“地震に強いまちづくり”に参画していく意欲が足りないと思ったからです。

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松下寛光/まつした ひろみつ
プロフィール
住宅アナリスト 1948年札幌生まれ。住宅産業新聞編集長を経て1993年独立、住宅から森林、環境問題まで幅広いジャンルで評論活動を展開している。プロデュース会社(有)インパルス代表取締役。
インパルス・ハウジング・ネット http://www.impulse.co.jp

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