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家庭菜園の魅力!
自分で作った野菜は安全で美味しい
ハウジングアナリスト 松下寛光

●ますます人気になる予感

都市部に住んでいる人でも、家庭菜園を楽しんでいる人は意外に多く、自分で栽培したトマトや胡瓜を「食べたら、スーパのものなど食べられないね」と自慢します。聞かされる方は羨ましさを超えて、何か取り残された気分になってしまいます。

なぜ、取り残された気分になるかというと、野菜を作るスペースを持っていないからです。家庭菜園を楽しむには、自宅に庭を持っているか、近くの貸し菜園が借りられるか、をクリアする必要があります。

余分な土地などどこにもない都会にあって、この条件をクリアできる人は恵まれています。庭についてはいまさら言うまでもないでしょう。貸し菜園も狭き門です。東京郊外に位置する筆者の町でも貸し菜園はあるのですが、順番待ちか抽選という人気ぶりです。

今後、都会人にとって家庭菜園はますます人気になる予感がします。それは、“美味しい”“収穫の喜び”といったことに加え、中国のギョウザ事件に端を発した、食の安全がクローズアップされているからです。

自分で作った野菜であれば安心できます。それも有機農法が理想的です。

●注目されるキューバの都市菜園

ところで、有機農法による都市農業が最も進んでいる国がキューバであることをご存じでしょうか。200万都市首都ハバナでは市民が栽培した有機野菜で自給しており、いま世界中から注目されています。

米国メトロポリタン・マガジンは次のように紹介しています。

キューバの都市農業運動は、1990年から94年にかけ生じた経済危機の中から生まれた。旧ソ連がキューバへの食料援助を停止したため、キューバは深刻な食料不足に陥った。

政府は食料生産が行えるよう人民に空き地を再配分する政策を取り、都市住民たちは未利用地を都市菜園に変えて、食料を自ら生産し始めた。また、自宅の庭やベランダで自家消費用の野菜づくりにも政府は援助の手をさしのべた。

ほとんど有機農法で生産を行っている。経済封鎖によって、殺虫剤や除草剤が輸入できないため、生産は、革新的な病害虫防除技術と自然なバイオ農薬でなされるように転換。都市農場は人口密度が高いコミュニティに隣接しているため、農薬を使うと健康上も問題があり、こうした解決策は環境上でも意味がある。

食の安全が脅かされ、食糧自給率が39%にまで落ちている日本は、キューバの有機菜園から学ぶものがあるのではないでしょうか。筆者はキューバの都市農業をもっと調べ、近々実態をこの目で確かめるためにキューバへ取材に行ってみたい欲望に駆られています。

●ポイントになる工務店の協力

工務店は都市で家庭菜園を望んでいる人に協力できる大きな存在です。ベランダや屋上で野菜が作れるように住宅をリフォームするのです。先に触れた、スペースがなくて取り残された気分になっている人は喜ぶに違いありません。

野菜を栽培するとなると、屋上やベランダが重くなり、住宅の耐震性、耐久性に問題が出てきます。

また、保水・排水も重要になります。植物を育てるにはある程度の保水能力が必要です。逆に水が過剰だと根腐れがおきてしまいます。かなり難しい防水や排水技術が求められることになります。

これらの問題を解決するための施工技術を持っているのは工務店しかありません。

ある知り合いの工務店にこの話をしたところ、あんまりいい返事が返ってきませんでした。不都合がでた時のクレームが恐いというのです。

確かに、そうした側面もあるでしょう。しかし、アフターメンテナンスが“面倒だ”と消極的になるか、高度なノウハウを習得すれば高い“付加価値”を生むと積極的になるかで、対応が大きく違ってくるでしょう。

ここは、ぜひ積極的にチャレンジしてもらいたい。

菜園
屋上、ベランダで野菜づくりをしている家、筆者の近所だけにいつも気になって見ている
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松下寛光/まつした ひろみつ
プロフィール
住宅アナリスト 1948年札幌生まれ。住宅産業新聞編集長を経て1993年独立、住宅から森林、環境問題まで幅広いジャンルで評論活動を展開している。プロデュース会社(有)インパルス代表取締役。
インパルス・ハウジング・ネット http://www.impulse.co.jp

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