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自宅庭の露天風呂で“温泉気分”を楽しむ
ハウジングアナリスト 松下寛光

●温泉に行きたし時間がない

秋も深まってくると、温泉だ!ということになります。紅葉を愛で凛とした外気を肌で感じながら浸かる露天風呂は格別です。

ところで、「温泉欲によって慢性の腰痛や関節痛が直った」という話しをよく聞きます。それなら、自分も体験してみたいと思う人は多いはずです。しかし、何かと忙しい現代人は、思っても実行に移せないのが現実。

ストレスから解放されることなく、腰をさすりながら仕事をしていると、いつか倒れてしまうでしょう。そうなる前に疲労回復さらには体力増進を図るために「温泉療法」がお薦めです。

湯治とは文字通り温泉(湯)で治療(治)することであり、日本では『古事記』や『日本書記』にすでに温泉の効能が記述されているように、温泉療養は古来より人々に利用されてきた長い歴史があります。

とはいっても、やっぱり時間が取れない。口惜しい! それなら思い切って自宅に露天風呂を造ってしまえ、とチャレンジした人がいます。その露天風呂を施工した知り合いの工務店からその話しを聞き、さっそく見に行ってきました。

なだらかな丘陵の住宅地に目指す家は建っていました。露天風呂はそれほど広くもない庭の一角に鎮座していました。


●一風呂浴びて冷たいビール

バスタブは琺瑯でしっとりとした清潔感が漂っています。床材は高級デッキ材として知られるイペという材が使われています。イペ材は鉄木ともいわれ水に沈むほど重たい木です。それだけに耐久性も抜群。

ご主人は筆者よりもひとまわり若い世代で、無類の温泉好きが高じて、内風呂では物足りなくて露天風呂を造ることにしたそうです。

近くに住むご兄弟も露天風呂コミュニケーションを深めるため、よく遊びに来るそうです。一風呂浴びて兄弟で温泉談義をしながら飲む冷たいビールは格別でしょう。羨ましい!


筆者としては、まだ若いくせに贅沢すぎる、と羨ましさを超えて嫉妬心を覚えたほどです。

確かに露天風呂ではあるが“温泉”ではない。露天風呂とくれば周辺に樹木が配置され、自然と融合していなければ、開放感、安らぎが得られないだろう。

さらに、何を言えば、この露天風呂に入るには、あろうことか窓から外に出なければならないのである。素人が思いつきでやるとこうなるのだ。

それに、住宅地とはいえ目隠しのフェンスが高すぎて情緒がない。蔦や観賞植物を活用すべきだ。

などなど、口には出さないけれど内心で難癖を付けていたのでした。


しかし、無類の温泉好きと自認する兄弟だけに、今ごろはリフォームして少しはましになっているかもしれない。少なくとも家と露天風呂とのアプローチは、そのうち考えなければならないと言っていた。

それはそれで、少し口惜しいのだけれど、都会にいても温泉気分を味わいたいという気持ちは分かります。せっかく造った露天風呂です、大いに楽しんでください。


羨ましい琺瑯バスの露天風呂。一風呂浴びて冷たいビールだ!

露天風呂にはこの窓から出入りしなければならない点が難点
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松下寛光/まつした ひろみつ
プロフィール
住宅アナリスト 1948年札幌生まれ。住宅産業新聞編集長を経て1993年独立、住宅から森林、環境問題まで幅広いジャンルで評論活動を展開している。プロデュース会社(有)インパルス代表取締役。
インパルス・ハウジング・ネット http://www.impulse.co.jp

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