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工務店とリフォーム 
“暮らしづくり”の視点を大切にしよう

ハウジングアナリスト 松下寛光
 “暮らしづくり”の視点を大切にしよう
 住まいを快適に末永く使うには、日頃からのメンテナンスが大切です。家主の手に余るカ所や工事が伴うメンテナンスについては、プロの手を借りなければなりません。昔はどの地域にも“家守り”といわれる工務店が存在していて、面倒をみてくれました。ですが、都会にあっては、そうした古き良き時代の慣習がどんどん希薄になっています。残念なことです。
こうしたなかにあって、“家守り”“ハウスドクター”を自認して地域の住民とのコミュニケーションづくりに努力している工務店の社長に話を聞いたことがありました。

工務店の役割は、家を守ること、そこに住む人の暮らしと健康を守ることでしょう。自社で建てた家はもちろんですが、守り手を失った家も、場合によっては面倒をみなければなりませんよ。
どうして守り手を失ったかはいろいろですね。後々の面倒なんかみるつもりのない、売りっぱなしの建売住宅があるでしょう。困ったもんですよ。
それから、施主とその家を建てた工務店の相性が悪くて、人間関係がこじれて縁が切れてしまうこともある。代が変わっても縁が切れますよ。15年以上も細かい面倒をみてきたのに、ご主人が亡くなって、別のところに住んでいた息子夫婦が入ってくる。これを機に改築やリフォームをしようということになるんですが、ご主人がひいきにしていた工務店には鼻もかけないということもあります。
また、建築家の設計した家も意外と工務店が離れやすいですね。そのほか、工務店が倒産したり廃業することもあります。
まぁー、そんなこんなで守り手を失った家が出てきます。むしろいまは、こうした家の方が多いのではないでしょうか。それでも、何もなければいいんですが、築後12年くらいから不具合や不便さがでてくるわけで、さぁー、どこに依頼したらいいか住んでいる人は迷うわけです。
ポストに入ってたチラシをみたり、雑誌、テレビの広告に出ていたリフォーム業者に電話する人もいます。一方、そんな得体の知れない人間が家の中に入ってきたり、自分の家をあれこれいじくり回されるのがいやで、いままで付き合いがなくても同じ町内に昔からある工務店の方が安心だという人もいます。そういう人から頼まれると、やってあげないわけに行かないでしょう。
最近気づいたんですけれど、一人暮らしのおばあちゃんの家ってけっこう多いんです。女の方が長生きってことでしょう。おばあちゃんは見知らぬ人間に警戒心が強いから、絶対チラシなんかで頼まない。
この工務店と決めたらずっとそこです。だからうちも担当者、大工、建具屋、経師屋などはいつも同じ人間がいく。新顔の人間をいかせるときは、私が付いていて、ずーっと立ち合っています。私はすることがないから、おばあちゃんと茶飲み話をして作業が終わるのを待ってるんです。
こうした話を聞くと、地域コミュニケーションの大切さを感じます。工務店は家づくりだけでなく“暮らしづくり”にも気を配る必要があるように思います。

 

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松下寛光/まつした ひろみつ
プロフィール
住宅アナリスト 1948年札幌生まれ。住宅産業新聞編集長を経て1993年独立、住宅から森林、環境問題まで幅広いジャンルで評論活動を展開している。プロデュース会社(有)インパルス代表取締役。
インパルス・ハウジング・ネット http://www.impulse.co.jp

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