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葛西紀巳子のくらし色いろ第12回
集中力を高める色
アメニティ&カラープランナー
葛西紀巳子

「うちの子、まったく勉強しないんですけど、勉強ができるようになる色を教えてくださいという相談を受けることがあります。「勉強ができるようになる色」というのは、なかなか難しい問題ですが、「集中力を高める色」の傾向は、経験上、答えることができます。それは、ブルー系やブルーグリーン系といった色。

 これは、私が実施するワークショップでも明らかなのですが、黄色を描いているときよりも、青を描いているときの方が集中力が高まり、長時間、色に関わろうとします。呼吸がゆったりとして、次第に落ち着いてくるのです。

実はそんな体験から以前、「勉強しない子どもをもつお母さんの悩みを解決する番組を色で提案したい」と、テレビ局からリフォームの依頼がありました。

 舞台となったお宅は、築40年の古い一戸建て。3人の子どもたちは、自分たちの勉強部屋が暗くて、寒くて、怖いといって近寄ろうともしません。宿題は、テレビのあるダイニングテーブルで行うとのこと。当然、集中力も低下し、成績は下降の一途。「来年は、受験も控えているのに」と、お母さんの悩みは尽きません。そこで、勉強部屋の一壁だけ、集中力が高まるように、淡いブルーに塗装しました。壁の一面だけにしたのは、全部をブルーにしてしまうと、寒々しく感じられるだけでなく、「ブルーな気分」というように、気分が落ち込んでしまってはいけないからです。ですから、目の届く範囲に青を眺められるようにと考えたのです。

また、机もスチールではなくナチュラル系の木目調にしました。ダークな色調はそこにノートの白いページが開かれたとき、明暗のコントラストがでて、目を疲れさせてしまうからです。同様に、白い天板の机も反射率が高くなるので、長時間作業するには、眼精疲労を伴います。ですから明るい木目調。木目の質感が優しい雰囲気です。さらに、窓まわりは青いブラインドです。カーテンではなくブラインドにしたのは、その羽のシャープな直線が気持ちを引き締め、集中力を高めるので勉強部屋やオフィス空間など、作業を伴う部屋には向いています。

 さて、リフォーム終了後、子どもたちはワクワク顔。撮影時間は、すでに子どもたちの就寝時間を回っているというのに、なんと、その時間から勉強机に向かい始めたのです。そしてその年、みごと志望校に合格したという報告も受けました。

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住宅ジャーナリスト 岡田憲治 葛西紀巳子/かさい きみこ
プロフィール
()色彩環境計画室代表/アメニティ&カラープランナー。心理学専攻後インテリアデザイン、色彩、照明を学ぶ。嶋佐知子氏に師事しインテリアデザインを、ジェリィ・フォリー氏からはカラーデザイン学を学び,1993年独立。1994()色彩環境計画室を設立。住宅、病院、施設、ホテルなどの「快適な環境づくり(内外装)」を心理的+生理的+機能的+美的な視点から理論的、総合的に色彩設計していく。他方、専門家や学校教育における「まちの環境色彩教育」の必要性を提唱・実践中。

ホームページ http://www.sikisai.co.jp

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