壁はそこにストーリー性をもたらす大切な場所です。最近の住宅は開口部を大きくし、ガラスに囲まれた設計が多いのですが、実は壁の役割はとても重要なのです。
よく聞く話ですが、魅力的なコーナー窓にしたものの家具を置くスペースがなくなってしまったとか、あるいは眺望景観を楽しむはずが、窓を開けたら隣の洗濯物が丸見えだったなどと、がっかりすることも多々あります。逆に、広々としたリビングにしたものの、空間が間延びしてしまいどうにも収まりがつかない、というようなこともあるでしょう。そんなときは、壁に絵を掛けるチャンスです。
絵は壁に彩りをもたせます。それだけで空間が生き生きとしてきます。特に大きな壁面いっぱいに絵画があると、迫力のある魅力的な空間に生まれ変わるものですが、そこに「有名作家の絵を」となると、なかなか手が出ないこともあるでしょう。そんなときには、ポスターやカレンダーの気に入った絵や写真でも十分です。お金をかけなくても、お気に入りの絵画やインテリアイメージに合ったものを額に入れると、さほど見劣りすることもなく、そこそこインテリアに収まってしまいます。たった一枚の絵が、無味乾燥な真っ白い壁に息を吹き返すことになるのです。
こうした絵をより効果的に飾る場合には、絵と額の関係が重要になってきます。まず、インテリアにアクセントとなる色があれば、その色を額の中にも使います。すると、アクセントカラーが繰り返されることになり、インテリアがまとまります。
たとえばピンクやブルーの色で描かれたパウル・クレーの絵があるとします。もし、部屋のアクセントカラーをピンクでまとめようとするなら、絵の中にあるピンクをフレームかマウントにもってきます。すると、不思議なことにピンクがグッと前にでてきます。季節が変わって、涼しげなインテリアにしようと小物をブルーでまとめた場合も、もしブルーが絵の中に入っていたなら、フレームかマウントだけをブルーにすれば、絵の中のブルーが際立って見えてきます。
つまり、絵の中にあるほんの少しの色でもそれと同じ色で囲むことで、その色が強調されて、ググッと目に飛び込んでくるのです。アクセントとなる色はこのように絵の中から引き出して、部屋のイメージチェンジを図ることもできるのです。