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葛西紀巳子のくらし色いろ第20回
季節の庭のアクセントカラー
アメニティ&カラープランナー
葛西紀巳子

日本人ほど、季節を愛でる国民性はいないのはないでしょうか。だって、不思議だと思いません?桜の季節になると、数日前から、ニュースや天気予報で開花時期を報道し、花が咲き始めると、今度は日本国民こぞって、お酒と団子を抱えてお花見にと出かけていく。

そしてまた秋が近づくと、北から紅葉前線が降りてきたよとテレビに映し出され、薄暗い室内から庭のもみじの見事な景色を映した広告に、すっかり心を射止められ、「そうだ、京都に行こう!」と叫び、新幹線に飛び乗って行く。

こうした日本人の光景は、外国人の目からすると、なんとも不思議なものに映るのではないかしら。けれど、それが日本人の感性。私たちは、そうした美に対する遺伝子を先人から受け継いできたことを、もっと誇りに思うべきかもしれません。

さて、この日本人の感受性が見事に生かされているのが和の空間です。室内から外に視線が向くようにと大きな窓をしつらえ、そこに縁台を設けて、庭先に季節の花を植えること。季節ごとに変化する自然を、そのまま屋内に取り込んで、一体化した空間をつくり出すなど、日本家屋のアイディアには、そんな工夫があるのです。

たとえば、今の季節ならば紅葉。ビビッドな赤や黄色が空間に彩りをもたらせます。そして、春は桜のピンク。夏は明るい緑、冬には白銀というように、季節ごとの自然の色が効かせ色となって、室内空間に彩りを添えるのです。あたかもそれは、変化していく絵画、庭の光景は生きている絵に見立てて、窓枠はフレームです。その絵を生かすかのように、和室には、じゅらく壁や、畳のい草や、木肌色の柱など、グレイッシュで穏やかな色調にまとまっています。ですから、お正月のあでやかな和服姿もまた、和の空間においては動くアクセントカラーになるのです。

こうした知恵は、敷地が狭くなった現代の住まいにも活かしていきたいものですね。一坪でも半坪でも、ちょっとした庭をしつらえて我が家のお花見なんて、なかなかいいものです。


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住宅ジャーナリスト 岡田憲治 葛西紀巳子/かさい きみこ
プロフィール
()色彩環境計画室代表/アメニティ&カラープランナー。心理学専攻後インテリアデザイン、色彩、照明を学ぶ。嶋佐知子氏に師事しインテリアデザインを、ジェリィ・フォリー氏からはカラーデザイン学を学び,1993年独立。1994()色彩環境計画室を設立。住宅、病院、施設、ホテルなどの「快適な環境づくり(内外装)」を心理的+生理的+機能的+美的な視点から理論的、総合的に色彩設計していく。他方、専門家や学校教育における「まちの環境色彩教育」の必要性を提唱・実践中。

ホームページ http://www.sikisai.co.jp

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