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葛西紀巳子のくらし色いろ第21回
コミュニケーションの場とキャンドルライト
アメニティ&カラープランナー
葛西紀巳子

こんな話を聞いたことがあります。ある小学校で父兄から「うちは給食費を払っている。学校にご馳走になっているわけではないので、子どもに「いただきます!」は言わせないでくれ!」という抗議があったというのです。それを受けた学校側も「それもそうだ。ごもっとも」と納得し、以来、その学校では、「いただきます」を取りやめたというのです。ん?なんか変じゃありません?

「いただきます」は、魚や肉の命をいただくことへの感謝の気持ち。そしてまた、農作物を分け与えてくれた豊穣への感謝のことばですよね。もっと身近な家庭の中でいうならば、料理を作る人とそれを食べる人との間における、コミュニケーションの言葉でもあるのです。しかし最近は、子どもの塾通いや残業などによる父親の不在などから「孤食」の家庭も多くなり、それが社会問題にもなっています。そうした「いただきます」を言う機会の少なくなった環境がコミュニケーションを欠いた家庭をつくってしまうのかもしれません。
会話は、“食べる”という行為を通じて弾むのです。ですから、どんなに忙しくても、せめて週の半分は、家族全員が揃ってテーブルを囲むという場が欲しいものです。

そんなわけで今回は、クリスマスの季節にちなんで、会話が弾む食卓の色の話です。温かな雰囲気に包まれると誰しも心が開放的になり、おしゃべり気分を誘います。ですから、基本は暖色系。そして、料理が際立つテーブルウェアの色は、コントラスト配色です。テーブルクロスやランチョンマットに、料理の色と反対の色を使うことで、色の対比効果が起こり、料理の色が一層、おいしそうに際立ちます。レストランの盛り付けを注意して見ると、そのようになっているはずです。

また洋食の場合は、照度を自由に変えることのできる調光器を取り付けて、天井照明を絞り、キャンドルライトに切り替えます。そのゆらゆらとした光が、いつものダイニングルームをムードのある別の空間のように見せてくれます。そんな部屋の中で、はじめてクリスマスツリーのライトがきらきらと輝き、心をときめかすのです。ゆらゆら動く炎ときらきら刻む光が、家族を会話の場所へといざなうのです。


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住宅ジャーナリスト 岡田憲治 葛西紀巳子/かさい きみこ
プロフィール
()色彩環境計画室代表/アメニティ&カラープランナー。心理学専攻後インテリアデザイン、色彩、照明を学ぶ。嶋佐知子氏に師事しインテリアデザインを、ジェリィ・フォリー氏からはカラーデザイン学を学び,1993年独立。1994()色彩環境計画室を設立。住宅、病院、施設、ホテルなどの「快適な環境づくり(内外装)」を心理的+生理的+機能的+美的な視点から理論的、総合的に色彩設計していく。他方、専門家や学校教育における「まちの環境色彩教育」の必要性を提唱・実践中。

ホームページ http://www.sikisai.co.jp

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