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葛西紀巳子のくらし色いろ第23回
赤のイメージと住まいの色
アメニティ&カラープランナー
葛西紀巳子

今回から数回にかけて、さまざまな色の印象と効果などについて話してまいりましょう。

まず、赤です。一般に「赤から受けるイメージは?」と問いかけると、「エネルギッシュ」だとか「情熱」、「パワフル」、「熱い」「激しい」などというような強いイメージが想起されますね。なぜなら、赤の語源は「血」や「火」、そして「日」。古人は赤を、再生や復活、呪力のある色と考え、恐る恐る使っていたようです。そこから引き継がれたイメージが、現代人の心理にもはたらきかけるのでしょう。今でも赤は、力のある色として考えられています。

ですからこのような赤を、店舗やホテルなどの非日常空間ではなく、住宅などの日常的な生活空間に、床や壁面などの大きな面積に使うのは、基本的に避けたいもの。落ち着きがなく、イライラしてしまいます。実際、こんなことがありました。

ある住宅街にショッキングピンクの外壁色のマンションが建ったのです。当初、周辺住民は、そのような激しい色は景観を破壊すると抗議したのですが、結局、色の対策は成されませんでした。そしてこの色は、景観だけでなく、周辺住民の室内環境にも影響を与えていたのです。つまり、マンションの外壁に当たった光が反射して、周辺の家の室内に差し込んでいったのです。そのため、窓を開け放つと周辺の家々のインテリアはみるみる赤く染めあげられ、住民はイライラ、カッカし、不眠症になってしまったというのです。中には、引越しせざるを得ないという事態に陥る人もあり、赤の影響のすごさを感じたことがあります。

もちろん、この話は、直接、壁面や床に赤を用いたというものではありません。しかし、ゆったり過ごそうとする部屋に広い面積で赤を使うのは、好ましいとはいえません。ですからもし、強い赤をインテリアに使おうとするならば、椅子の張り地や壁の一部分、絵画やカーテンなどに、アクセントとして使うことをお勧めします。小さな面積で部分的に、繰り返し使うのです。すると、空間がリズミカルになって、元気な活力を生み出すことに違いありません。

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住宅ジャーナリスト 岡田憲治 葛西紀巳子/かさい きみこ
プロフィール
()色彩環境計画室代表/アメニティ&カラープランナー。心理学専攻後インテリアデザイン、色彩、照明を学ぶ。嶋佐知子氏に師事しインテリアデザインを、ジェリィ・フォリー氏からはカラーデザイン学を学び,1993年独立。1994()色彩環境計画室を設立。住宅、病院、施設、ホテルなどの「快適な環境づくり(内外装)」を心理的+生理的+機能的+美的な視点から理論的、総合的に色彩設計していく。他方、専門家や学校教育における「まちの環境色彩教育」の必要性を提唱・実践中。

ホームページ http://www.sikisai.co.jp

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