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葛西紀巳子のくらし色いろ第8回
キッチンの扉面材の色
アメニティ&カラープランナー
葛西紀巳子

 世の中がカラフルになってきました。商品企画の現場でも、形を変えるよりも、色で変化をつけた方が「コスト安」ということもあって、色のバリエーションが増えてきました。

インテリアの世界も同じです。ファブリックスの類いはもちろんのこと、キッチンの扉面材などにも色の選択肢が増え、キッチンにいるのが楽しくなってしまいます。こんなにカラフルな色に囲まれていると、たとえ料理が苦手な人でも、ず〜っとキッチンに立っていたくなるに違いありません。

けれど、システムキッチンでは、赤やオレンジ色など強い色を大きな面積に使うのは、やや配慮が必要です。特に、独立型のクローズドキッチンのような場合は、下台も上部の戸棚もその色で取り囲まれてしまうので、空間全体が赤やオレンジ色で覆われることになってしまいます。そうした強い色のもとで、長時間作業をし続けると、目が疲れてしまうからです。

また、強い色を長時間眺めていると、生理的に反対側の色を見るものに映し込むことになってしまいます。たとえば、強い赤の面材に囲まれていると、青から緑にかけての残像を、ものに重ねて見ることになり、料理の素材などを正確に見ることができなくなってしまいます。安全な食材を使って料理しようとする場所で、本来の色が見えなくなっては危険です。

そうした意味でキッチンの扉面材は、強い色ではなく、淡い色を選んだ方が懸命といえましょう。もちろん、オープンキッチンのように色の反射や映り込みの影響をあまり受けない場合は、別ですが……。

また、照明の光の色の影響も考えなければなりません。やや黄色みを帯びた電球色は、料理をおいしく見せるので、食卓で使うと効果がありますが、キッチンでは、食材の色が正確に見えるような自然光に近い光を選ぶことです。採光のための窓をキッチン内にが取り入れられるようなプランニングも好ましいでしょう。

「扉面材の赤に囲まれてしまうので食材の色が正確に見えにくくなる」
「淡い色の面材や反射率の少ない素材は影響が少ない」
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住宅ジャーナリスト 岡田憲治 葛西紀巳子/かさい きみこ
プロフィール
()色彩環境計画室代表/アメニティ&カラープランナー。心理学専攻後インテリアデザイン、色彩、照明を学ぶ。嶋佐知子氏に師事しインテリアデザインを、ジェリィ・フォリー氏からはカラーデザイン学を学び,1993年独立。1994()色彩環境計画室を設立。住宅、病院、施設、ホテルなどの「快適な環境づくり(内外装)」を心理的+生理的+機能的+美的な視点から理論的、総合的に色彩設計していく。他方、専門家や学校教育における「まちの環境色彩教育」の必要性を提唱・実践中。

ホームページ http://www.sikisai.co.jp

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