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新・快適生活図鑑 第14回
予算内で要望に叶ったイメージ
(洋風から和洋風へ)に替えるリフォーム

建築家 児島敬子

大掛かりな工事をせず、予算内で使う人の要望に叶ったイメージに替えるために、どうすればよいかは、リフォームの設計を受けた時の重要なテーマなのです。

その事例として、5年前に、鉄骨3階建てのビルをスケルトンにして、大掛かりなリフォームの設計をした、延べ面積150坪の3階にある、洋風の多目的ホールの再リフォームをご紹介します。

5年前にリフォームの依頼を受けた折、「浜料理の2号店としてこのビルを建ててから15年が経ち、ローンの返済も終わり、他に3号店4号店もできたので、この自社ビルを、自分達夫婦の人生の第2ステージとして楽しめるスペースにしたい」いうのがクライアントの要望でした。

そこで、1階はイタリアン風のデザート売り場と古民家風の浜料理の店、2階はコンサートができる音響・照明設備の整ったダンススタジオ、3階は近隣の人達と一緒に個展や講演などを楽しめる多目的ホール(写真1・2)と音楽練習室にと大改造したのです。

ところが、3階の多目的ホールは、会議の後美味しい浜料理を食べたいという団体の予約が多く、最初の利用目的の個展や講演は年に1〜2度という状況でした。

そのため5年後、「浜料理を食べるならば、このスペースは少し洋風すぎる」ということで、再リフォームすることになったのです。

「しかし大掛かりな工事をしてから5年しか経っておらず、余裕のある予算は取れない。今取れる予算内で、会議もでき、浜料理を食べるのにも違和感のない雰囲気にリフォームしてほしい。」というのがクライアントの要望でした。

●予算内と短期間の現場工事でイメージを替えるプランニング


予算に制限があるときは、少ない数の施工業者で、イメージを変えられる方法を考える。
床はリノリウム・壁は珪藻土・幅木・窓枠・陳列カウンターはタモといった和洋どちらのイメージにも合う天然素材で仕上げてあるので、その部分はそのままいかす。
廊下と部屋を仕切れる可動式ポリ合板のパーテーションと南と西の大きな窓に設けたロールスクリーン(どちらも壁と同じホワイトベージュ)を和調に替えることで、和洋風の多目的ホールにリフォームすることにした。
ロールスクリーンは取り外し、窓枠の上下に吊り金具とレールを取り付け、和洋風のイメージに合った障子をデザインし吊りこむことにした。
ポリ合板のパーテーションは、その両面をペーパーでこすり粗面にし、その上に枯れ草で染めた和紙を張り、また会議や食事処として使うときに廊下を通る人から中が見えないように、その和紙のパーテーションの両サイドに、窓の障子とコーディネートした格子にワーロンを入れた、可動式のパーテーション吊り込むことにした。
そして2箇所の出入り口に、枯れ草と藍で染めた手織りの暖簾を吊ることにした。


以上の施工は、建具屋、塗装屋、染色作家で済む。しかも染色作家は寸法を渡せば、完成日までに織ってくれる。また建具屋も寸法を取れば工場で製作をする。塗装屋と建具屋が知り合いならば、塗装も工場でできる。現場に入るのは建具を釣り込む時だけです。

吊りこむ日を店の定休日に合わせれば、クライアントの営業を止めることもないうえ、経費がかからず、限られた予算でも十分にイメージを変えることができる。このプランニングで再リフォームした写真が、写真3と4(暖簾はまだ吊られていない)です。室内は洋から和洋風に変わり、落ち着いて浜料理がたのしめる雰囲気が作れたかと思います。

リフォームは、生活をしながら工事を進めなくてはならないので、いかに短期間の現場工事で、クライアントに負担をかけずに、クライアントの要望に叶ったイメージの空間を作るかという工夫も必要かと思うのです。

写真―1
写真―2
写真―3
写真―4
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住宅ジャーナリスト 岡田憲治 児島敬子
プロフィール
デザイナー・建築家。1983年にトータル・ライフコーディネートスタジオ「ZAZA」を開設。1988年、ヒューマンスケールで考える住環境設計を加え、インテリア建築デザイン事務所「ZAZA―YOU、CO」を設立。家が「ゆったりと豊かな時を過ごせる心のすみか」となれるスペース作りを目指し活動を続けている。著書に「インテリア製図の描き方」など。
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