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新・快適生活図鑑 第16回
団塊の世代のリフォーム その2

建築家 児島敬子

団塊の世代が今年から定年を迎えるとあって、いろいろなところで「団塊の世代のリフォーム」というテーマでセミナーや特集が企画されています。

そこで、いくつかのセミナーに出席し、いろいろな商品研究所の調査報告などを聞いた結果を踏まえて、私なりに「団塊の世代のリフォーム」のポイントを考えてみました。

※ 団塊の世代は立替や住み替えでなく、なぜリフォームなのか。

・定年後の終の棲家は、住み慣れた家で暮らしたい。
・団塊の世代は年寄り扱いされるのをあまり好まない。したがって子供と一緒に暮らす気はない。
・夫婦二人の生活を考えているので、10年後20年後の修繕のためのリフォームはきついのでしたくない。

以上のことから、今ここで住み慣れた家を、この先30年程度までリフォームのいらないようにリフォームしようということだと思われます。

この結論からすると、団塊の世代のリフォームには次のことが必要かと思われます。

・状宅設備機器は最新のものにし、少なくとも20年は使えるものにする。
・耐震、防火・防犯性能をチェックし、これも少なくとも20年は使えるように補強する。
・リフォームに使う建材は、少なくとも20年は張り替えや塗り替えのいらないものにする。

※ 団塊の世代の今後の暮らし方の重要ポイント

・ある研究所の調査報告によると、団塊の世代の住生活ニーズは、「元気の出る生活」と「感動のある生活」が主流だそうです。

「元気の出る生活」とは自然と触れ合う光と風の入る家であり、「感動のある生活」は趣味の充実や親しい人との交流のある生活ということのようです。

・家の中に夫婦二人だけで居る時間が多くなる。したがって相手の存在がうっとうしくならないように、生活スタイルにより夫婦の距離を調整することが重要かと思われます。

・鎹(かすがい)であった子供が居なくなり、ペットが鎹となっているケースが多くなったそうです。

このような状況を踏まえて、団塊の世代の今後の暮らしの提案を考えるとき、一般的には以下のことを注意することが必要かと思われます。

・耐震・防犯をチェックした上で、玄関以外に庭とつながる開口部をできるだけ設ける。
・夫婦それぞれの趣味を楽しむスペースを、お互いの存在を感じながらも、プライベートな時間を邪魔しないような位置に設ける。

これはインテリア計画をするときに用いる環境心理学に基づいたソシオフーガルという離反の集合の形です。それは他人となるべく係わり合いを持ちたくない場合に、相互間に距離を置くか、体の向きが反対になるような位置をとる集まりの形です。(この反対は対面式の集まりの形のソシオペタルです)

またお互いの趣味を楽しんでいるときは二人の動線が重ならないようにも計画する。

・子供達や親しい人と交流ができるようなダイニングやリビングのスペースレイアウトにする。
・ペットを飼う場合には、ペットの居るスペースや、散歩から帰ってきて足を洗ってスムースに家に入れる動線計画をする。

最後に、私が講師をしている短大のインテリアコーディネーターコースで生徒に出した、リフォームのプレゼンテーション問題の解答を載せておきます。(図−1)

これは子供達が独立し、定年退職後夫婦2人で生活するにあたり、1階のLDKをリフォームすることになったという想定の問題です。クライアントの要望は下記のとおりです。

・夫は定年退職をし、パソコンで友人とメールの交換をしたり、インターネットで趣味の植栽の剪定の方法などを調べて楽しんでいる。
・妻は料理が趣味で、収集したレシピを基に、週末には、子供達の家族や、親しい友人達を招いて創作料理を披露して楽しんでいる。

夫のパソコンコーナーを東の出窓前、主婦コーナーを西の出窓前にと、趣味を楽しむ時間帯は相手が視野に入らないように体が反対にかつ相互間の距離があるソシオフーガルを採用し、趣味を楽しんでいる時間帯に便所や洗面・キッチンを利用する動線が重ならないようにプランニングしたものです。参考にしてみてください。

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住宅ジャーナリスト 岡田憲治 児島敬子
プロフィール
デザイナー・建築家。1983年にトータル・ライフコーディネートスタジオ「ZAZA」を開設。1988年、ヒューマンスケールで考える住環境設計を加え、インテリア建築デザイン事務所「ZAZA―YOU、CO」を設立。家が「ゆったりと豊かな時を過ごせる心のすみか」となれるスペース作りを目指し活動を続けている。著書に「インテリア製図の描き方」など。
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