topページへ お問い合わせ
Q&A
かながわリフォームコックさんとは…
満足リフォームの条件・その1
腕がいいねえ
満足リフォームの条件・その2
素材がいいねえ
満足リフォームの条件・その3
お得がいいねえ
満足リフォームの食べ方
満足リフォームのポイント
満足リフォームの食べ歩き
満足リフォームのイベント情報
満足リフォームの施工事例集
リフォームかわら版
ミニチュア椅子ファミリー
リフォームコックさん > リフォームかわら版 > コラム
リフォームかわら版
新・快適生活図鑑 第17回
日常的快適性と畳がもたらした
日本人の住まいへの関心の薄さ
―その1、「茶の湯」「生け花」に見る畳がもたらした美意識の功罪―

建築家 児島敬子

前回述べたように、団塊の世代の定年後の住生活ニーズは「元気の出る生活」と「感動のある生活」が主流だそうです。

自然と触れ合う光と風の入る「元気の出る生活」や、趣味の充実と親しい人と交流する「感動のある生活」には、どのくらいの広さや、どんな家具と設備、そして調度が必要なのか。

それらは人それぞれが育ってきた環境・精神風土・体質・思考感覚等によって違うはずで、住み手は作り手の助けを借りて自分でそれを見付け出さなくてはならないのです。お仕着せや借り物ではその人にとっての日常的快適性は得られないのからです。

それを見つけ出し、それに適した家にリフォームする。住まいはその人なりの暮らし方を核として造られなくてはならないと思うのです。

「日本人は住生活に対する関心が薄い」「外観は立派で、容積も大きくなったが、内部には暮らしの豊かさが感じられる家は少ない」と、しばしば建築雑誌等にも書かれていますが、本当にそのとおりだなと思うのです。私も仕事柄いろいろな方の住まいを見せていただいていますが、住む方の暮らし方がにじみ出ている心温まる住まいに出会うことが少ないのです。これは何によるのか、私なりに考えて見ました。

現在プランニングの主流となっている居間・食堂中心のホール型が推奨され始めたのは、庶民住宅の洋風化をめざした大正の住宅改良運動ころからだそうです。
欧米に比べ、居間・食堂中心のホール型の暮らしがまだ100年も経っておらず、歴史が浅いから日本人は住生活に対する関心が薄いのかとも考えられます。それも要因の1つかもしれませんが、それだけではないように思われるのです。歴史が浅くとも暮らしへの情熱が強ければ、洋風化された住まいにも関心は高くなるはずなのです。
それではなぜ暮らし方に強い情熱が持てないのかということになります。それは日本特有の畳が日本人の美意識にもたらしたプラス面とマイナス面の明確な確認をせずに洋風化されていったところにその要因の1つがあるように思われるのです。そのプラス面とマイナス面をいくつかあげて1回ごとに考えてみることにします。

1回目 「茶の湯」「生け花」に見る畳がもたらした美意識の功罪

・花嫁修業として、日本人は「茶の湯」と「生け花」を習いますが、欧米人は「インテリアスクール」に通うそうです。双方とも日常的に快適な暮らし方を身に付けるためなのでしょうが、今の花嫁修業としての「茶の湯」「生け花」は日常的暮らし方というよりも、もてなしの作法を身に付けるというほうに重きが置かれているように思われます。

「茶の湯」「生け花」は、4畳半や3畳等の畳が敷かれた空間で、畳の上に置かれた茶器や、床の間の生け花や掛け軸を愛でながらお茶をいただく。障子から射し込む薄明かりだけの狭い空間の中で、かなり研ぎ澄まされた美意識が養われます。

これは畳のもたらした日本人の美意識のプラス面だと思われます。ただしこの研ぎ澄まされた美意識の空間と時間が日常だったら疲れてしまいます。「茶の湯」「生け花」を習った多くの人は、日常とは違うその空間と時間の中で養った美意識で、日常的生活を眺めると、あまりにも雑然としていて、その違いに愕然としてしまうのかもしれません。

人はあまりにもかけ離れていると、どこから手をつけていいのかわからず投げ出してしまうのが常のようです。

そして、「いつか時間ができたらきれいに片付けるわ」とか「家を直したら、茶の湯と生け花で養った美意識で、私の理想の住まいにするわ」と思いながら、日常的快適性とは程遠い空間の中で仕方なしに暮らしている方が多いようです。

しかし今暮らしている空間を少しでも快適にするためには、雑然とした空間の中にでもその美意識を活かす方法を考えなくてはならないと思うのです。時間ができたり、家が新しくなったらと考えずに、今気付いたスペースからでもどうすれば快適になるかを考えることが重要かと思います。物事は1から始めことによって10に近づくことができるのではないのでしょうか。

美とは、その空間に存在する秩序だと思うのです。「茶の湯」「生け花」の美も、その形ではなく、それらが占める空間に秩序が存在しているからだと思います。その秩序を見極めることができるように、「茶の湯」「生け花」習う習慣はできたのではないかと思います。

その秩序を見極める目があれば、雑然とした日常の空間にもそれなりの秩序を見つけ出すことができるはずだと思います。そしてその秩序が存在すれば、雑然とした日常の空間も美しい空間に生まれ変わるはずです。それなりの秩序とは、住む人が感じる快適度だと思います。

その快適度を尺度として、忍耐と情熱を持って自分の住む空間を考えれば、暮らしの豊かさが感じられる住まいになると思うのです。

※次回は畳のフレキビリティーがもたらした功罪です。

次へ

住宅ジャーナリスト 岡田憲治 児島敬子
プロフィール
デザイナー・建築家。1983年にトータル・ライフコーディネートスタジオ「ZAZA」を開設。1988年、ヒューマンスケールで考える住環境設計を加え、インテリア建築デザイン事務所「ZAZA―YOU、CO」を設立。家が「ゆったりと豊かな時を過ごせる心のすみか」となれるスペース作りを目指し活動を続けている。著書に「インテリア製図の描き方」など。
ページのトップへ
Copyright Kanagawa Reform Cook