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新・快適生活図鑑 第25回
ハウスメーカーのモデルハウスに見る新しいDK
その1

建築家 児島敬子

LDKの検証・その3のL+DKの結論でお話したように、茶の間が団欒の場であった日本人にとって、家族の心のふれ合いが深まる形態としては、調理や食事、そして片付けを家族で一緒にしながら、今日おこったいろいろなことを話し合えるDK(ダイニングキッチン)がよりふさわしい生活スタイルのように思われます。

モデルハウスも少し前までは、現在の住宅の主流であるLD+Kが大半を占めていましたが、最近建てられた新しいモデルハウスには、以前とは少し形を変えたL+DKがしばしば見られるようになりました。

それは上記のように、DKが日本人の家族の団欒の場に適していることと、社交性が希薄な日本人にとって、来客から家族の団欒というプライバシーを守るために、DKとLの間に袖壁を設けたり、Lのソファーの配置を工夫したりして、DKに居る家族が接客スペースにもなるLの来客と視線が合わないL+DK型に変わってきたのだと思われます。

そしてDKには必ず裏動線を設け、Lに来客があるときはLを通らず、その裏動線から廊下に出られるようになっています。また以前のDKと違って、K(キッチン)がきれいにすぐ片付くように収納スペースが多く設けられています。

L(リビング)は、来客がないときにテレビやビデオを見たり、音楽を聴いたりする。そういう形のL+DKが日本人の生活スタイルに適しているように思うのです。

ゆったりとしたリビングのソファーに腰を下ろしお互いの間に距離を空けて、その日それぞれにおこったことを話し合うというスタイルは、恥ずかしがり屋で自己主張の希薄な日本人にとって、どこか改まった感がありよそよそしく馴染みにくいように思われます。

洒落て落ち着いたレストランでの食事するのは、年に何回ぐらいしかないのに、サラリーマンも学生も居酒屋では毎日のように、日々の愚痴や将来の夢などいろいろなことをわいわい語りながら酒と食事を楽しんでいます。

やはり日本人は、目の前で作られたできたての料理を、わいわい言いながら食べるのが好きなようです。そしてその雰囲気の中でお互いの心うちをなんとなく知り、それを重ねることによって心の絆を深めていくように思います。

このようなことからDK(ダイニングキッチン)が、日本人の家族の心のふれ合いを深める形態としてふさわしいスタイルだということが認識されてきたのではないかと思われます。下記にいくつかの新しいモデルハウスのL+DKを紹介しておきますので、機会があればハウス展示場でご覧になってみてください。

1、 旭化成「プレビオ」

建物の東側に、Lが南、DKが北側と間仕切り建具なしで縦につながっています。DKは以前のスタイルとほぼ変わらないのですが、DKとLとの間に袖壁を設け、またLのソファーをDで食事する人がその袖壁で見えないようにレイアウトされています。

そしてDKには袖壁の裏側と西壁面に長い収納スペースを設け、キチン設備の上がすぐきれいに片付くようになっています。また南のLに来客があるときは、Lを通らずDKから直接廊下に出られる裏動線が設けてあります。

2、 三井ホーム「プレセンテ」

建物の西側にLが南、DKが北側と間仕切り建具なしでつながっています。またDKは西側の開口部のある側をDにし、東側のKとLが接する部分は壁で仕切られ、その壁のK側はすべて収納が設けられています。KはL型で中央にアイランドカウンターが配膳台兼収納として置かれています。したがってK側から見るとDKなのですが、南のLから見るとDが独立し形に見えます。またLの来客からはDが見えないようにソファーがレイアウトされています。そしてLに来客のあるときは、Kからユーティリティーを通って廊下に出られる裏動線が設けられています。

3,その他

積水ハウス「ビーエコルド」や、三菱地所ホーム「エアロテックの家」などもLからはKが見えないように袖壁が設けられ、Dにいる人とLの来客が視線合いにくいようにソファーのレイアウトがなされており、裏動線が設けられている。

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住宅ジャーナリスト 岡田憲治 児島敬子
プロフィール
デザイナー・建築家。1983年にトータル・ライフコーディネートスタジオ「ZAZA」を開設。1988年、ヒューマンスケールで考える住環境設計を加え、インテリア建築デザイン事務所「ZAZA―YOU、CO」を設立。家が「ゆったりと豊かな時を過ごせる心のすみか」となれるスペース作りを目指し活動を続けている。著書に「インテリア製図の描き方」など。

「入門 インテリアコーディネーター かんたんインテリア製図の作り方
――ヒューマンスケールに基づく快適空間の考え方
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