topページへ お問い合わせ
Q&A
かながわリフォームコックさんとは…
満足リフォームの条件・その1
腕がいいねえ
満足リフォームの条件・その2
素材がいいねえ
満足リフォームの条件・その3
お得がいいねえ
満足リフォームの食べ方
満足リフォームのポイント
満足リフォームの食べ歩き
満足リフォームのイベント情報
満足リフォームの施工事例集
リフォームかわら版
ミニチュア椅子ファミリー
リフォームコックさん > リフォームかわら版 > コラム
リフォームかわら版
プライバシーとリフォーム 
その1
武士は貧相な家を見られたくないから生け垣をつくる?
住宅ジャーナリスト・岡田 憲治

「プライバシー・リフォーム」――。と言っても、こんな用語はない。造語である。プライバシーを考えたリフォームを模索してもいいのではないか、そんな気持ちから1つの提案をしてみたい。リフォームというのは生活改善ということであって、そうであるならプライバシーの観点から生活改善を進めてもよい。

ではプライバシーとは何か。手近かなところから情報を調べてみようと、広辞苑を開いてみた。こう書いてある。「私事が内密であること。私人の秘密。」

1955年4月から1967年3月までの12年間、NHKで「私の秘密」というクイズ番組があったが、ずばりプライバシーのタイトルだったのである。

そんなプライバシーである私の秘密と住まいとの関係――、それをちょっと考えてみたい。

●人が家を囲むのは防御のためか!

私はいま思案している。ブロックを壊して生垣にしようかと。もし大きな地震がやってきてブロックが倒れたたらたいへんだと思う。1978年6月12日に起きたM7.5の宮城県沖地震を取材しに仙台に行ったとき、ブロック塀の倒壊が被害を大きくしていた。死者16名のうち11名がブロック塀の下敷きになったのである。

ブロックは鬱陶しいこともある。ブロックで囲むより、生け垣で風通しをよくしたほうがいい。生け垣ならば町の環境にもいい。

でもブロックを壊すにはかなりのお金がかかる。さてどうしよう。私の住む町では市役所で生垣設置補助制度というのがあって、生け垣にすると1mあたり3000円の補助金がでる。上限は5万円だ。ブロックを撤去も補助されるというので、思い切ってやろうかなと思うもののまだ踏み切れない。

我が家のブロックは他の家より高い。私の父は他人の目を気にする人であったので、人の背よりも高くブロックを積み、目隠しした。夏に裸やステテコで庭に出たいからなのだろう。それにしてもこれでは要塞だはないかと私は思っていた。

たしかに垣根や生け垣の垣は土地を囲ったり仕切ったりする意味。防衛の役割を果たすこともある。垣城というのは木柵をめぐらし防禦に備えた城のことだ。中世では濠をめぐらし築地をつくってその中に民家を建てたし、あの卑弥呼も垣をめぐらしていたというから昔から外敵から守るための手段だったのである。だから、父が高いブロック塀で泥棒から身を守るというのもおかしくはない。でも、高い塀は逆に泥棒には好都合、人の目を避けられるというから皮肉。

●武士の面子とプライバシー

家の中を見られたくないという気持ちもわかる。何か詮索されているようで嫌だと父も思っていたのだろう。昔の武士も見られるのは嫌だったようで、上田篤の「日本人とすまい」(岩波新書)にこんなことが書かれてある。

『武家屋敷は、格式や防衛上の理由から、一般に家のまわりに白壁や土塀をめぐらすが、なかの家そのものはいたってお粗末なものが多い。武士はもともとそんなに富裕な階層ではないからだ。同じ町にある商人の町家建築などにくらべてみると、家のなかにつかわれている材料は、柱にしても梁にしても、たいへん質素なものである。ところが、その建物の貧しさを土塀がかくす。』

読んでいて笑ってしまった。武士は面子でプライバシーを守る。父もまたステテコ姿を見られるのが嫌だったというより、貧相な家を見られたくなかったのだろうか。そう思った。

いいじゃないか、貧相な家でも。垣間見られることもあるだろうがブロックより生け垣は気持ちがやすらぐ。さて、補助金もらって生け垣を早くやろうと考えた。


*プライバシー・リフォームのヒント
今回のキーワードは「目隠し」。その手段としてブロック・フェンス・生け垣などがあるわけですが、環境や町の美観を考えるなら生け垣がいいですね。生け垣ごしに庭で道行く人と会話を交わす。「きれいな花だこと」とか。そんな光景をみたいものです。がっちりとした砦のような家ではなく、コミュニケーションも考えるというのがプライバシー・リフォームです。

次へ


住宅ジャーナリスト 岡田憲治 岡田憲治
プロフィール
住宅ジャーナリスト・NPO法人埼玉住まいの情報ネットワーク代表。辛口『野次馬住宅時評』を発行。著書に『住宅のお値段・原価の秘密』『住宅業者の良し悪しがピタリわかる本』『住まいたちの半世紀』など。近著『昭和の住まい学』。

http:// www.tcat.ne.jp./~yajiuma/
ページのトップへ
Copyright Kanagawa Reform Cook