
畳のない家も普通になっています。住宅展示場に行っても、畳はお呼びじゃないといった感じ。でも、畳は自然素材として長い歴史があり、魅力もいっぱい。和の空間はゆったりとした気持ちにさせてくれます。
現代和風を楽しむ“畳空間リフォーム”で静寂の空間を考えてみたいものです。
「葦原の しけしき小屋に 菅畳」と古事記(712年)にも登場するくらいですから、畳の歴史は古い。
畳の語源は「たたむ」ということで、敷物を意味していたといいます。
畳は伝統的な床材。芯材となる畳床(たたみどこ)と畳の表面の畳表(たたみおもて)で構成されています。畳床には、スタイロフォームやインシュレーションボードをサンドした建材床と、伝統的な稲わらを何層にも重ねて圧縮した畳床があります。稲わらの畳床は吸放湿性、断熱・保温性があるので高温多湿の日本の住まいによく似合います。
畳の大きさは3尺×6尺(910mm×1820mm)が基本。人が寝ていられるサイズ。手足を広げると畳2枚で、1坪ということになります。こうした人間サイズの畳なので、ごろりとするのに最適です。畳はクッション性があるので、寝転ぶのにちょうどいいのです。ここがフローリングと違うところ。
吸音・遮音効果があるのも畳の特徴。畳床の中の空気が音を吸収してくれ、また、子供たちがどんどんと暴れても振動もないので畳の部屋は静けさを感じるのです。静かな空間をつくるには、畳は最適といえます。
畳表の材料は多年生植物のイグサ。イグサの香りにはフィトン、ジヒドロアクチニジオリド、バニリンといったリラックス効果をもたらす成分が含まれており、気持ちを落ち着かせてくれます。畳の色が人肌に近い自然色であることも、心を落ち着ける要因といわれています。
ごろりと横になってくつろぎたいというとき、リビングルームの一角を畳コーナーにしてはどうだろう。
段差をつけて、一段高くしたり、床面を揃えてバリアフリータイプ、障子で間仕切るというやりかたもあります。縁がない琉球畳や、色のついたカラー畳で、空間を演出するのも楽しいでしょう。