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お年寄りのためのリフォーム工事はどうですか。職人ならではの工夫や技術のようなものはありますか。
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| ○三留 |
僕は、床を平らにしたいと言うお施主さんには、「本当に全部平らにしていいんですか」とまず確認します。というのは、床の段差を無くして無意識に歩くよりは、場所によっては敢えて15センチ位の段差を付けて、そこに来たら注意を呼び起こすようにした方がお年寄りのためには本当はいいんじゃないか、といった考え方が、介護に携わる一部の人たちの間ですけれども、あるからです。
もし段差を付ける時は、車椅子が必要になった時に、そこにスロープを付けられるように工夫をします。さらに進んで、そのお年寄りが亡くなった時はスロープを外して、また段差に戻すことも出来るようにするわけです。その時に、取り外したビスの跡が目立たないように綺麗に仕上げるのも職人なら当然です。
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| ○渡辺 |
お年寄りのためのリフォームで一番感じるのは、ケアマネジャーや介護士さんから介護のプロとしてのアドバイスをもっと貰えれば、より良い住宅改修が出来るんじゃないかな、ということです。
僕も福祉コーディネータの資格を取って勉強はしているんですが、それでも僕らからするとケアマネジャーさんは介護のプロですから、それがどんなに難しい注文であっても、「この患者さんはこういうハンディを持っているから、こういう風にした方が本当はいいのだけれども出来ますか」と、一応は相談して欲しいわけです。それを受けて、出来るだけそこに近づけるのが僕たち大工の仕事なわけです。でも、そういう話はあまり出てこなくて、「足が悪いから手摺りを付けて下さい」で終わってしまうケースが多いのが残念です。
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| ○三留 |
お年寄りの方も、どちらかというと作ってもらう立場という意識があって、どうしても遠慮してしまう。そんな時は、「おばあさん、好きな高さにしていいんですよ」と言って、使い易い高さを測ってあげるとか、思っていることを言い易いやすいように話を持っていってあげるようにするのですが、まだまだコミュニケーション不足を感じますね。
とくにリフォーム会社から派遣された職人の場合は、使い勝手より、会社に言われた通りに付けて終わりです。何かあった時は、私じゃなくて会社に言って下さいとなる。
その点、僕らのように地域密着で仕事をしている工務店は、お施主さんにとって使い易いのが一番という大前提があるからね。トイレットペーパーの位置にしても、「もし、使ってみて都合が悪かったら位置を変えてあげるからね。ビスの跡なんか綺麗に消せるんだから」なんて、工事の後も色々と便宜を図ってあげることが出来るわけです。 |
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三留さんの大工仕事。
竹を使ったスリッパ入れ |
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| ○渡辺 |
地域密着の小さな工務店は信頼関係が全ての生命線ですから、大事にしないとね。
僕がこの仕事を始めた頃、親父とお客さん回りをすると、1時間、2時間お茶飲んで世間話をして、挙げ句の果てに近所の人まで上がり込んで話の中に入ったりして。最初の頃ははっきり言って苦痛でしたね。ただお茶飲んでいるだけでいいのかなって思ったりして。
でもそれがあるから段々仲良くなって、信頼関係が出来てくる。さっきの手摺りの話じゃないですけれども、信用してくれないと本音も出てこないし、言いたいことも言えないで我慢しちゃうことって、あると思うんです。実際、「渡辺さんの所はそんな仕事もやってくれるの」なんていうお客さんも時々いたりして、まだまだ接し方が足りないなと反省することもあります。
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そんな仕事って、どんなことですか。
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| ○渡辺 |
棚を吊すとかですね。そんな小さなことを頼んだら申し訳ないと思っているお客さんが結構いるみたいで。でも、そんなことはないんですよ。ちょっとしたことでもお客さんに喜んで頂けるなら、僕らも嬉しいし。
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リフォームという表現自体が最近出来た言葉で、もともとは修繕、営繕といった言葉でしたからね。
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| ○三留 |
そのためにも僕は出会いの場が必要だと考えて、一昨年、「木楽倶楽部」という、定年退職をした人たちに大工道具の使い方や工作を教える教室を始めました。ノコとカンナとノミの使い方。あとは釘を打つことが出来れば、ちょっとした家の修理なら自分でも直せますからね。分からないことがあれば相談もできる。今はまな板を直しています。まな板は幅があるから直すのは結構大変なんですが、カンナの腕を磨くにはいい練習です。 |