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リフォームかわら版
その4
エコリフォームを語る
健康生活との関係をもっと考えよう
ゲスト 三小林 薫 氏
有限会社 エコスタイル 取締役)
                 

自然素材は、古くて新しい建材?

―― 小林さんが提唱するエコリフォームというのはどういったものですか。

○小林 基本は身体に優しい素材を使った健康リフォームです。例えば、断熱材は従来のグラスウールではなく自然素材を取り入れています。フローリングも無垢材を使うようにしています。できれば住宅だけでなく、衣・食を含めたトータルでエコスタイルを提案していきたいと考えています。

というのは、私が最初に勤めた住宅会社が自然素材にこだわった会社で、社長がエコロジーに対する独自の考えを持った方でした。当時、私はマクドナルドが大好きで、100円マックを一度に10個も買って食べるものだから、社長から「そうした食生活は身体に良くないから止めなさい」と言われて、でも、お腹がすくとやっぱり食べちゃうわけです。そしたらある日、ハンバーガーを食べた後にじんましんが出まして、「コップの中に蓄積された悪い物がコップから溢れ出ると、身体の症状に出るんだよ」という社長の言葉は本当だったと身をもって感じまた。それ以来、衣食住に対する視点ががらりと変わりました。

―― エコリフォームに対するお客様の反応はいかがですか。

○小林 お客様には、最初になぜ当社が自然素材を使った健康リフォームを勧めるのかをまず説明して、ご理解を頂くようにしています。予算が少ないという方には、一度に全部ではなく、今回は壁紙だけというように、何回かに分けてリフォームを提案しています。

―― 自然素材の調達はどうしていますか。

○小林 以前に勤めていた住宅会社でお付き合いのあった業者さんや、インターネットからの情報収集も欠かさないようにしています。新しく扱う素材はすべて、まず自分が使ってみて、納得したものだけをご提案するようにしています。

―― 自然素材にも色々な種類が出ています。何が本当に健康に良いのか、まだ分からないものがありますが、実際使ってみて失敗したことはありますか。

○小林  お客様によく聞かれるのは、無垢材のフローリングについてです。無垢材というのは季節によって膨らんだり縮んだりしますので、目地が開いたりすることがあるのです。ですから、こういう場合は目地が開くことがありますと最初にお断りをし、了解を頂いてから工事を始めます。そうでないとクレームになって、「やっぱり自然素材はね」ということになってしまいますから。

―― 自然素材は特質をよく知った上で扱わなければいけないということですね。職人さんの経験や技術も必要ですね。

○小林

とくに杉材などは乾燥、収縮が早いので、目地が開いたり閉じたりというのが多いのですが、そうした特質を知らないと、工事後にお客様から苦情が来たり、工務店さんからもクレームが来ることがあります。ですから私自身、職人さんにきちんと説明できるように勉強が欠かせません。

―― 職人さんも知らないことが増えている?

○小林 やはり、自然素材を扱いなれた職人さんが少なくなっているというのはありますね。例えば、当社では断熱材を従来のグラスウールではなくセルローズファイバーやウールを使っていますが、施工の収まりなど、まだ経験が十分でない部分があることも確かです。

床を無垢材でリフォームする際も、表面を既存の床面と平らにするために下地の高さを調整するわけです。その時に調整用として一般的に使われるのが合板です。合板は厚さが色々と揃っていて便利ですから。但し、合板というのは接着剤で貼り固めたものですから、何年かすると接着剤が抜け出して、空気中に化学物質が放散されます。表面が自然素材でもこれでは意味がありませんから、そうした建材を使わないで調整するとなると、やはり手間と経験、技術が必要になるわけです。


建物の寿命を決めるのはメンテナンス

――  お客さんは、やはり健康を気にされる方が多いですか。

○小林 この会社を始めて3年経ちましたが、こだわる方は半数ほどですね。

―― それは、エコスタイルにこだわる方が半数にまで増えたということですね。

○小林 はい、そう思います。設立当初は自然素材を使った内装工事よりも、屋根の葺き替えとか、外壁塗装、網戸の張り替えといった仕事の方がずっと多かったですから。私の会社は本当に小さな会社ですが、周りの他の工務店さんたちも積極的に扱うようになれば、消費者の意識ももっと変わって来るのではないでしょうか。

―― 材料は国産が多いのですか。

○小林 国産は少ないですね。国産だとやはり単価が上がってしまいます。
当社では、最初はナラの無垢材のフローリングを勧めるところから始めています。ワックスも米ヌカを原料にした100%自然素材ですし、防蟻用の塗料もヒバ油と木酢を混ぜたものを使っています。

―― 無垢材では、シロアリは注意しないといけない問題ですか?

○小林 防蟻処理をきちんとやらないと、耐久年数が短い建物になります。これは従来の建材でも同じですが、5〜7年サイクルでメンテナンスが必要です。でも、どちらかというと、自然素材を選ばれる方はメンテナンスもそれほど苦にならない方が多いようです。

―― 施工方法では、どのような点に気をつかっていますか。

○小林 接着剤は極力使わないようにしています。接着剤を使えば、床を張る時に強度が増しますが、無垢材は伸び縮みする時に接着剤が剥がれて、床鳴りの原因になるからです。
あと、壁紙を使う際には、自然素材を原料とした接着剤を使うようにしています。

―― そうなると、床材も厚みのあるものを求めたくなりますね。エコリフォームで一番の問題は、やはり価格の問題ですか。
○小林 新建材と自然素材を比べると、価格面で新建材の方が安いですから、どうしても合板が使われますね。但し、最初に多少お金はかかっても、合板の床は後々床がきしんできますが、無垢材の床はそれがありません。それに使えば使うほど木肌に味が出てきます。

エコスタイルの事務所に並べられたエコ材料

看板に惑わされるな。本物を見極めよう

――  他にどのようなことを提案していますか。

○小林 珪藻土の壁や、木のチップの入った壁紙などを提案しています。珪藻土はプランクトンの死骸の固まりを粉にして混ぜて塗ったもので、漆喰に比べて調湿性が良いと言われています。但しこれは数値上の話です。

あと、珪藻土壁で気をつけなければならないのが、つなぎに含まれる化学物質の問題です。例えて言うと、餃子を作る時、挽肉が珪藻土で、野菜がつなぎだとすると、実際10年、20年すると肉だけ残って野菜が気化すると考えて下さい。その際、空気中に放散された物質が、健康に悪影響を与えるようでは困りますからね。

―― そうすると消費者は、メーカーや工務店がどこまで考えながら健康住宅やエコ住宅を看板に掲げているか、見極めて選ぶことも必要になりますね。

○小林 そこを見極めて頂く方法として、当社の場合、今まで建てて頂いたお客様の家や、モデルハウス兼私の自宅に案内して、実際に見て実感して頂くようにしています。その結果、やっぱり自然素材はいいわねと言ってくださる方が多いので、多分、今日までこの会社も続いているのだと思います。

―― これまで何軒くらい手掛けていますか。

○小林 年間を通して50件ほどリフォームを手掛けていますが、その全部が新規というのではなく、お客様からの紹介やリピーターの方が多いですね。その中でエコリフォームを希望されるのは、40代、50代の方が多いです。あとはホームページからの問い合わせもあります。先日もアトピーの方から相談がありました。アトピーの方には浄水器も勧めています。アトピーの方の中にはシャワーを浴びると水道水の塩分が肌にヒリヒリするという方が多いのですが、そうした症状が無くなったという声を聞いています。

―― 空気環境、水環境の改善もエコリフォームの提案テーマの一つというわけですね。

○小林 それも、一度に全部替えてしまうのではなく、予算によっては、壁をやったら次は床をやろうとか、次はカーテンを取り替えようとか、一つ一つ段階を踏みながらエコスタイルに変えていけばいいわけですからね。

―― 今日は本当にありがとうございました。


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