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リフォームコックさん > コックさんなるほどトーク&トーク > その6
リフォームかわら版
その6
屋根・外壁のリフォームポイント
プロが教える
「住まいを長持ちさせる方法」
ゲスト
山川 和司 氏
有限会社山川工務店 二級建築士)


                 

外壁の塗り替えは7〜10年が目安

―― 山川さんの会社では、最近はどんな仕事が多いのですか。


○山川 やはりリフォームです。少しずつ家を直しながら老後を過ごすという方が多いので、必然的に内装、外装から各種設備や空調器の交換まで、建物に関するメンテナンスは全てやっています。


―― 外壁のリフォームはどうですか。


○山川 塗り直しの依頼がすごく多いです。


―― 塗り直しの目安はどれ位ですか。


○山川 10年位ですね。メーカーの製品保証がだいたい10年ですから。ただ、外壁にはサイディング、モルタル、ガルバリウム鋼板などがありますが、長持ちする、しないという話になると、鉄が一番でしょうね、今までの経験では。


―― モルタルはどうですか。


○山川 吹き付けやコテ仕上げなどの方法がありますが、やはり塗り直しは7〜8年が目安です。でもそうなると、7〜8年で100万円近くのお金が動きますので、現実的にはなかなかそこまで手が回らないというお客さまが多いと思います。


―― どういう状態になったら、塗り替えを考えたらいいですか。


○山川 表面のツヤです。色が褪せるとか、場所によっては苔が生える場合もあります。とくに色が剥げてしまった場合は、完全に塗り直さないとダメですね。下地のモルタルやサイディングの素材自体が劣化して傷んでいきますから。


―― サイディングの場合は、コーティング部分の劣化が目安と聞きましたが。


○山川 コーティング自体は5年位でかなり劣化が進むと言います。押してみて弾力があったり亀裂が入っていなければ、まだ大丈夫と考えていいでしょう。ただ、環境によっては劣化の進み具合は違ってくるようです。非常に湿気が多い場所や、強い日差しが当たるような場所は劣化が早まることがあります。


―― 怖いのはやはり水漏れですか。


○山川 そうですね。外壁から漏るとなると、原因と思われる一番の場所はサッシ周りです。外壁自体から漏るということはまず考えられませんから。あと考えられるのは、サイディングだったら合わせ目ですね。よくサイディングが反ったりすると、そういう所から水が入ってきます。


―― そうした例はよくあるのですか、屋根ではなく外壁でも。


○山川 外壁でもあります。強い風が吹くと、針の穴1本くらいの穴であっても、そこから雨水が吹き込むということがあります。



湿気を感じたらサッシまわりを点検

――  リフォームをして直したのに、直っていないという例はありますか。

○山川 ありますね。どうしてかというと、さっき窓のサッシ周りと言いましたが、サッシ自体の構造も今のサッシと昔のサッシは雨仕舞いの構造が違っているからです。15年から20年以上前のサッシというのは、サッシを柱の幅の中に収めていたので、構造的に水が染みやすいところがあります。ですから、状態によってはサッシの取り替えを勧めます。
玄関もそうです。庇がついていれば庇と外壁の繋ぎ目とか、すべて雨が当たれば水が入っていくということを仮定しながら仕事をしなければいけません


―― サッシの取り替えは簡単にできますか。


○山川 簡単ではないです。結構大掛かりになります。サイディングでしたら、サイディングの周りを約10cm位カットしてサッシを収め直すという作業が必要です。


―― 例えば柱が傷んで水がしみると言う時は、サッシを新しいのと取り替えた方がいいと言えますか。


○山川 そうですね。腐った部分を切り取って直すということになれば、一旦サッシを外して補修し直すということになりますから。


―― そこは一般の人には見えないところだから、分からないですよね。騙されていると思うんじゃないですか。


○山川 確かに、そういうお客様も中にはいらっしゃいます。見た目はまったく問題はないのに、どこが悪いのって。説明してもなかなか分かっていただけないところがありますね。でも、専門家が見ると、外壁の色褪せやコーキングの劣化など、見た感じでだいたい分かります。


―― そういう場合はどうするんですか。


○山川
ひたすら説明するしかありません。提案の仕方としては、「あと何年この家にお住まいですか」という聞き方をします。「老後もこの家に住みたい」ということであれば、やはり直した方がいいですね、と言う話にもなりますし、「あと10年位したら考えるよ」ということであれば、取り敢えずそのつどそのつど手直しをして、なんとか住めるようにしていくとかですね。やはり、あと何年住むかということをまず前提にします。
施工事例

防水紙の劣化が雨漏りを招くことも

――  ほかに外壁でこういう事をしたらいいですよという提案はありますか。


○山川 これは耐震の話になりますが、外壁を全部剥がすのであれば、筋交などすべて含めて点検をされてはどうでしょう。あとは金物関係も点検するといいですね。シロアリ対策が必要になる場合もあるでしょうし、耐震性のこともありますから。
とくに耐震に関しては、これだけ法律が変わっていますから、今から20年、30年前の建物は耐震のことも含めて点検された方がいいと思います。


―― 費用はどれくらいを見ておけばいいですか。


○山川 外部を直すには、必ず足場が必要になってきます。足場代が養生も含めて、約30坪程のお宅で平均して10万から12〜13万位でしょうか。
あとは塗り直す方法として、私共で勧めているのはウレタン系の塗料です。他にシリコン系やセラミック配合のものなどありますが、それほど極端な値段の差はないと思いますが、30坪程度の建物で外壁を塗り直すのに、だいたい30万円位かかると思います。
その他に破風とかあげ裏の塗り替えで10万円前後。庇が結構出ていれば、その分+αになってくると思います。あと、雨樋を取り替えるのか、塗り直すのかどうか。そこまででトータルとしてだいたい50万円くらいだと思います。
あと、屋根を塗ると別途費用がかかります。目安として50万円から70万円位までの幅を見ておいて貰えれば、だいたい相場的だと思います。これ以上かかる場合は、その業者は気をつけた方がいいですね。色々条件もあると思いますけれども。


―― いま屋根の話が出ましたが、屋根のリフォームで注意することはありますか。


○山川 屋根材の下には、実際水が入ってこないようにするために防水紙を貼っています。この防水紙が劣化すると、これがまたやっかいな話で、表面の仕上げ材は大丈夫でも雨が入ることがあります。
こうしたケースでよくあるのが日本瓦です。日本瓦は割れなければ半永久的に持ちます。レンガもタイルも同じです。ですから、瓦自体は大丈夫だから漏るはずはないとよく言われるのですが、瓦というのはどうしても隙間があるので、強い風の時などに風や雨が吹き込みやすく、下に敷いた防水紙がボロボロになってしまって雨水が浸入してくる訳です。これはカラーベストも同じです。


―― 防水紙に関しては、外壁についても言えますね。


○山川 そうです。本当ならば、それまでに一度外壁を取り外して防水紙を取り替えると、さらに建物が長持ちすると思います。外壁の防水紙に関しては、メーカーで10年保証をしているところがありますが、それ以上保証しないということは、やはりそれ位が限度かもしれません。但し、外壁の中に雨水が染み込まなければいいわけですから、極力入らないように手を打っておくというのが第一ですね。


屋根材選びは長所、短所をよく確かめて

――  カラーベストはアスベストの問題がありますね。


○山川 今はアスベストを使わない製品が出ています。カラーベストの一番のメリットは安価だということです。施工もそれほど難しくありませんし、見た目も悪くはないですね。見た目がすっきりしていて、カラーバリエーションも豊富です。洋風建築には向いています。


―― カラーベストの耐久性は5年位と言う業者の方もいますが。


○山川 目安は10年を境にと言われていますが、本当はその前から気にして貰った方がいいでしょう。立地条件にもよりますが、5年位から注意しておいた方がいいです。


―― カラーベストは張り替えですか。


○山川 塗り直すことも出来ます。ただ、これはあまり塗り過ぎても逆に雨漏りの原因になります。カラーベストの重なりの部分の隙間に塗料が入っていくと水が抜けなくなってしまう可能性があって、そうすると水が入る所と入らない所が出てきて、水が溜まってしまう恐れがあるからです。塗った後には必ず隙間を空けるようにはしていますけれども。


―― ガリバリウム鋼板はどうですか。


○山川 ガリバリウム鋼板は鉄ですね。メリットとしては、軽くて丈夫で錆にくいので、長持ちすると言われています。ただ、ガリバリウム鋼板も塗装を施したものとかがありますから、その辺の持ちはどうかなというのはあります。メーカーによっては50年保証をしているところもありますが、実際まだ50年経っていませんからね。
ただ、軽くて丈夫で長持ちするというメリットは、地震がこれだけ多くなってくると、屋根材としてこれからもっと注目してもいいのではと思います。


―― ガリバリウムの屋根は収縮する際に大きな音がしたり、雨音が大きいという話がありますが。


○山川 収縮時の音は、屋根の葺き方によって大分抑えることが出来ます。雨音も断熱材を入れるなりして抑えることができます。ですから、屋根材もそれぞれのメリット、デメリットを聞いて、把握した上で商品を選んだ方がいいですね。

―― さっきのカラーベストをガリバリウム鋼板に張り替える方法もありますね。


○山川 ただ、昔のカラーベストはアスベストをかなり多く含んでいますから、やたらに剥がしていいものかという問題はあります。工事中に割れたりすればアスベストが飛散してしまいますから、やたらに剥がせないというのが正直なところあります。その場合は、カラーベストの上にガリバリウム鋼板を貼り付けていくという方法をやっています。


―― 中で湿気がこもるといった問題はありませんか。


○山川 確かに外壁も屋根も上から被せてしまうと、湿気の問題や、その分荷重がかかるので、建物の事を考えるとやはり、一度カラーベストを剥がすのが一番です。ただ、アスベストの問題も無視することは出来ないと思うんですよね。
もし剥がす場合は、水を撒きながらアスベストの粉塵が飛散しないように処理したりするわけですが、その分費用は嵩みます。あと、近隣への配慮をしなければいけません。


―― いずれにしろ、先程の防水紙の件もありますから、屋根に関しては20年位をめどに、一度張り替えを考える必要があるということですね。


○山川 そう思って頂ければ、リフォームの予定も立てやすいと思います。


シロアリは思いがけない所からやって来る

――  ほかに外回りで注意が必要なところはどこですか。


○山川 雨樋は定期的に点検しておいた方がいいですね。雨の日に雨樋から水がぽたぽた漏れているようだと、どこかが詰まっている可能性があります。雨水が溢れて外壁に掛かったりすると、そういった所から劣化して雨漏りしてくる事もありますから。あと、どうしてもジョイント部分が劣化して外れることがあります。


―― シロアリについてはどうでしょう。


○山川 よく、ガーデニングに枕木などを使われている方がいますね。とくに量販店などで売られているものは、防虫防蟻処理が充分にされていない場合がありますので、腐ったままにしておくと、そういったところからもシロアリはついてきますので、枕木などは出来るだけ建物に近づけない方がいいと思います。


―― 後付けの物置も、できるだけ建物に近づけない方がいいわけですね。


○山川 そうです。それと、ガーデニングで気をつけて貰いたいのは、建物の基礎より高く土を盛ってしまうと外壁が湿気を帯びやすくなります。ですから、建物の周りは出来るだけ隙間を空けておいた方がいいですね。壁にタンスをくっつけて置くとカビが発生しやすいというのと同じです。


―― 最後に、建物を長持ちさせるための方法を教えてください。


○山川 建物を気にしてあげることが一番です。ちょっとおかしな所を見つけたら、すぐ連絡して頂くとか。台風や地震、長雨の後など、そのつど点検をして下さい。建物も僕たちの健康診断と一緒だと思うんですね。1年に1回は検診に行きましょうと。住んでいる方が気にして見ていれば、早めに対処が出来ますから。


―― どうも、ありがとうございました。




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